著者
藤井 久雄
出版者
Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.37, no.8, pp.474-477, 1963
被引用文献数
1 5

(1) 納豆菌がグルタミン酸培地で生成する粘質物を純粋に分離精製し,グルタミン酸ポリペプチドであることを明らかにした.<br> (2) 培地中のグルタミン酸の約16%の収量でグルタミン酸ポリペプチドが得られたが,ペプチド構成グルタミン酸の約40%はD-グルタミン酸であった.<br> (3) 納豆菌がシュクロース培地で生成する多糖類はレバン様フラクタンであることを明らかにし,その生成の培養条件と分離精製法を示した.<br> (4) フラクタンも弱い粘性を示すが,糸引きの主体はグルタミン酸ポリペプチドであった.<br> (5) グルタミン酸+シュクロース培地では,グルタミン酸ポリペプチドとフラクタンとを生成するが,両者は単に混在するものであることを超遠心沈降により推定し,糸引納豆粘質物でもペプチドとフラクタンとは単に混在するものと考えた.
著者
小原 亜希子 藤井 久雄 内丸 仁 竹村 英和 鈴木 省三
出版者
日本トレーニング科学会
雑誌
トレーニング科学 (ISSN:13494414)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.135-142, 2011 (Released:2013-04-12)
参考文献数
16

目的:本研究の目的は,約100kcal の市販サプリメントを用い,糖質配合プロテイン(CHO-PRO)サプリメントと糖質をほとんど含まないプロテイン(PRO)サプリメントの単回摂取による疲労回復効果を比較することであった.方法:試験には7 名の男性が被験者として参加した.被験者は筋グリコーゲンを枯渇させるために自転車運動を行い,運動直後にCHO-PRO またはPRO 摂取を行った.結果:疲労感の指標visual analogue scale(VAS),尿中3-メチルヒスチジン/クレアチニン(3-MH/Cr)比はPRO 摂取群に比べCHO-PRO 摂取群で有意に低値を示した.パフォーマンスタイムは有意差が見られなかったが,CHO-PROを摂取した7 名中6 名で延長した.結論:運動直後の低エネルギーのCHO-PRO 摂取は同程度のエネルギーのPRO 摂取よりも疲労回復効果が高いことが推察された.
著者
藤井 久雄
出版者
日本森林学会
雑誌
森林科学 (ISSN:09171908)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.50-57, 1994-06-01 (Released:2018-02-28)
著者
田中 茂穂 徳山 薫平 藤井 久雄 田中 千晶 緑川 泰史 二見 順
出版者
独立行政法人国立健康・栄養研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

エネルギー消費量を評価するヒューマンカロリメーターの分析精度を向上させ、食事によるエネルギー消費量の評価法を提案した。また、エネルギー消費量に対する身体組成の影響や食習慣・運動習慣の影響について明らかにした。さらに、身体活動の種類と強度が評価できる3次元加速度計を用いて、歩数が中高強度の身体活動量をかなり反映するが、歩・走行以外の身体活動も重要であること、1日の身体活動量に対する歩・走行以外の身体活動の相対的な寄与が職業間で異なっていることを明らかにした。
著者
長 修司 藤井 久雄 白石 淳
出版者
福岡女子大学
雑誌
福岡女子大学家政学部紀要 (ISSN:02883953)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.65-69, 1984-12-25

Bacillus natto産生多糖類あるいは酵母のアルコール抽出物がコレステロール食ラットの脂質代謝におよぼす影響について検討した。(1)Bacillus subtilis natto(納豆菌)産生レバンはラットの血清と肝臓の脂質レベルを低下させることはできなかった。一方, レバンと同じフラクタンである市販のイヌリンは血清の総コレステロールとトリグリセリド量を有意に減少させた。(2)イヌリン投与ラットの食餌コレステロールの吸収率は対照ラットに比べて著しく低下した。(3)Sporobolomyces ruberrimus(赤色酵母)あるいはSaccharomyces uvarum(ビール酵母)のアルコール抽出物はコレステロール食ラットの血清の総コレステロールあるいはトリグリセリド量を減少させた。この報告は著者らの実験指導のもとに本学食物学専攻学生の高橋貴美子, 山口羊子, 安部博美ならびに井波忍君らがまとめた卒業論文の一部である。