著者
竹田 徳則 近藤 克則 平井 寛 村田 千代栄
出版者
日本作業療法士協会
巻号頁・発行日
pp.55-65, 2007-02-15

要旨:本研究の目的は,作業療法による認知症予防の手がかりを得ることである.対象は,65歳以上の地域在住高齢者で5年後にも要介護状態になかった健康寿命保持群2,110名と認知症で要介護状態となった230名である.5年間認知症にならずに健康寿命を保持している状態を予測するオッズ比を求めた.その結果,例えば趣味「あり」(オッズ比:2.27),主観的健康感「よい」(2.00),うつ「なし」(1.91),IADL「自立」(2.56)などが,健診「受診」(1.71),歩行「30分以上」(1.54)のオッズ比よりも大きかった.健康行動よりも,心理・社会面の望ましい状態を保持することが認知症予防には重要である可能性が示された.
著者
近藤 克則 吉井 清子 末盛 慶 竹田 徳則 村田 千代栄 遠藤 秀紀 尾島 俊之 平井 寛 斉藤 嘉孝 中出 美代 松田 亮三 相田 潤
出版者
日本福祉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究の目的は,介護予防に向けて,心理的因子や社会経済的因子の影響を明らかにする社会疫学の重要性を検討することである.(1)理論研究では,多くの文献をもとに社会疫学の重要性を検討した.(2)大規模調査(回収数39,765,回収率60.8%)を実施した.(3)横断分析では,健診や医療受診,うつなどと,社会経済的因子の関連が見られること,(4)コホート(追跡)研究では,社会経済的因子が,認知症発症や要介護認定,死亡の予測因子であることを明らかにした.本研究により,社会疫学研究が,介護予防においても重要であることを明らかにした.