著者
箱田 徹
出版者
立命館大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究はミシェル・フーコー(1926-1984)の1960年代後半から1970年代にかけての著作を分析し、不連続性や差異を強調する独自の方法論が明確化される過程を論じた。とくにフーコーが言説分析にかかわる諸概念を実践の問題系に位置づけたことに着目し、この時期以降のフーコー思想にとって政治的主体性の問いが重要性を占めていくことを指摘した。また一連の思索の展開が「六八年五月」と深い関わりがあることも示した。
著者
佐藤 吉幸 西迫 大祐 箱田 徹 坂本 尚志 藤田 公二郎 相澤 伸依 武田 宙也
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

今年度も、ミシェル・フーコーのコレージュ・ド・フランス講義の総体を明らかにするために、京都大学人文科学研究所の共同研究「フーコー研究:人文科学の再批判と新展開」と共同で以下の研究会を行い、研究成果を共有するとともに、最終年度に刊行予定の共同研究論集刊行のための予備作業として口頭発表を行った。2019年4月20日(発表者:ギャヴィン・ウォーカー「The Will to Strategy: Foucault's Interregnum, 1976-79」)、2019年5月18日、19日(発表者:市田良彦、布施哲、坂本尚志、小泉義之)、2019年6月15日(発表者:サンドロ・メッザードラ「Foucault and Marx in the Contemporary World: War, Governmentality and Beyond」)、2019年7月13、14日(発表者:前川真行、北垣 徹、小泉義之、松本潤一郎)、2019年9月28、29日(発表者:上尾真道、隠岐さや香、ニコラ・タジャン、立木康介)、2020年1月25日 公開国際シンポジウム「Critique et verite: de la parrhesia」(発表者:フィリップ・サボ、市田良彦)、1月26日 公開合評会「ドゥルーズ、フーコー、小泉の霊性」──小泉義之著『ドゥルーズの霊性』をめぐって」(発表者:市田良彦、廣瀬純、千葉雅也、応答者:小泉義之)、1月30日 公開セミナー「Verite et fiction selon Michel Foucault」(発表者:フィリップ・サボ、坂本尚志)。研究成果の中間報告として、『思想』2019年9月号、特集「未完のフーコー」を刊行した。また、研究代表者の佐藤吉幸は、今年度9月から3月にかけてフランスでの在外研究を行い、パリ第8大学、EHESSで研究と発表を行った。
著者
箱田 徹
出版者
天理大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

1970年代前半のミシェル・フーコーの著作を「戦争」概念に注目して分析することで、後に展開される権力論と統治性論が、フランス「68年5月」後の政治・理論状況と密接な関係にあることを改めて明らかにするともに、フーコーの権力や統治についての後年の議論を、近代社会の政治的統治の類型論であることを超え、社会を変革する主体の生成という角度から読み直す手がかりが、この時期のフーコーの理論的歩みのなかにあることを明らかにした。