著者
米田 哲也
出版者
熊本大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

MRI位相情報は組織が受ける静磁場変化に鋭敏であるため、今回開発した磁化率強調画像化法(PADRE)により、組織の磁気応答を表すことができる画像を作成可能にした。PADRE画像は、従来の位相画像技術である磁化率強調画像化法(SWI)にくらべても様々な種類の組織コントラストを作成することができるだけでなく、自由に強調度を変化させ、診断画像として最適なコントラストを作成者側がコントロールできるなど、様々なメリットを持つ。臨床応用には、すでに脳幹部の微細構造の高コントラストを背景に、パーキンソン病をはじめとする様々な変性疾患の画像診断に応用が始まっている。
著者
橋本 弘司 米田 哲也 國安 明彦
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究は、新たなMRI技術(位相差強調画像化法:PADRE)を用いて、脳内のamyloid beta沈着によるアルツハイマー型認知症による味覚障害を非侵襲かつ早期に見出す診断法の確立を目的とした。ヒトamyloid beta遺伝子導入トランスジェニックマウスのPADRE像と組織染色像とを比較した結果、鉄、老人斑の量、位置ともに月齢に応じた正の相関がみられた。トレーサー実験の結果、ラット大脳皮質味覚野は従来の味覚野および味覚野に接した背側、尾側からも投射があることが分かった。また、リッキングテスト装置の改良に取り組み、効率的な味覚行動実験プロトコルを検索した。
著者
村川 佳太 上原 光司 重留 美咲 米田 哲也 欅 篤
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.46 Suppl. No.1 (第53回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C-92_1, 2019 (Released:2019-08-20)

【はじめに、目的】 近年、介護予防分野や老年医学分野では「フレイル」が注目されている。フレイルは大きく3つに分類され、身体的フレイル、精神・心理的フレイル、社会的フレイルがある。フレイルの原因とされている老化は氷山の一角に過ぎず、その背景に潜む因子との関係を明らかにすることが、介護予防対策を進めるうえで重要となる。フレイルの第一段階とされているのが、社会的孤立などの社会的フレイルであり、今回、当院初期もの忘れ外来における社会的孤立の発現率、社会的孤立者の歩行能力について検討する。 【方法】 2012 年7 月から2016年6月の間に、当院初期もの忘れ外来を初回受診された187名(男性79名、平均年齢77.4歳±5.3)。社会的孤立を日本語版LSNS-6にて評価し、12点未満を孤立群、12点以上を非孤立群とした。評価項目は性別、年齢、世帯、BMI、転倒歴、運動習慣、診断名、10m歩行、TUG、MMSE、LSAとし比較。さらに、目的変数を孤立群、非孤立群とした単変量ロジスティック回帰分析を行い、p<0.1であった、運動習慣、10m歩行、TUG、LSAを説明変数として多変量解析を実施した。なお、10m歩行、TUG、LSAにおいては中央値で2値に分類した。 【結果】 社会孤立発現率は32%(60/187)であった。なお、診断時、正常加齢とされた者の孤立者は0%であり、統計解析の対象からは除外した。孤立群と非孤立群の2群比較では10m歩行(p<0.005)、TUG(p<0.05)、LSA(p<0.005)、運動習慣(p<0.005)となった。ロジスティック回帰分析では、性別と年齢を調節因子とした結果、10m歩行6.5秒以上(OR:3.24、95%CI1.25-8.38、p<0.05)、運動習慣なし(OR:2.12、95%CI1.04-4.34、p<0.05)となった。 【結論】 社会的孤立、活動範囲の狭小化、身体機能低下が負の連鎖となる可能性が考えられた。反対に活動範囲を維持、拡大することが、社会的孤立や身体機能低下を予防する一つの手段になることが示唆された。このような社会的背景を考慮した場合、臨床での介入のみでは限界があり、地域をも巻き込んでの包括的にアプローチしていく必要がある。多職種や地域と連携し、予防の視点を患者、家族へ伝えていくことが今後一層重要になってくると考える。 【倫理的配慮,説明と同意】ヘルシンキ宣言に基づき、各対象者には本研究の施行及び目的を説明し、研究参加への同意を得た。なお、本研究は社会医療法人愛仁会高槻病院倫理委員会の承認を得て実施した(承認番号:2016-36)。
著者
花井 秀俊 斉藤 千秋 石田 小百合 米田 哲也 草野 都 田母神 繁 野間 正名
出版者
植物化学調節学会
雑誌
植物化学調節学会研究発表記録集 (ISSN:09191887)
巻号頁・発行日
no.38, 2003-10-10

When supplemented to culture medium of mushroom Coprinus cinereus, rice husks which had been soaked in methanol beforehand dose-dependently stimulated mycelia growth up to a concentration of 80mg/ml, but nontreated husks up to 20mg/ml. These results suggested the existence of both stimulatory (hydrophilic) and inhibitory (lipophilic) compounds in rice husks. As momilactone A (MLA) had been isolated as one of germination inhibitors in rice husks, its biological activity against mycelia growth was tested. Momilactone A inhibited the mycelia growth at a concentration of 1μg/disc. Methanol extract of the husks also inhibited at a concentration of 1mg/disc (corresponding to 0.2μg MLA/disc, by quantification with LC/MS/MS). Thus, lipophilic compounds such as MLA in rice husks, readily extractable with methanol (two days extraction at room temperature or over one hour reflux), should inhibit the mycelia growth. Aqueous extract of methanol soaked husks stimulated mycelia growth. Purification of the stimulatory compounds on ion exchange- and gel permeation columns followed by RP-HPLC is not enough to yield pure active principals. Rice husks also stimulated mycelia growth of Grifola frondose, Lentinus edodes, Pleurotus eriyngii and P. ostreatus as well as C. cinereus. Furthermore, they increased both the number and fresh weight of primordia and adult fruit body of P. eriyngii and P. ostreatus when supplemented to the medium.