著者
若島 正
出版者
早川書房
雑誌
SFマガジン
巻号頁・発行日
vol.50, no.8, pp.88-93, 2009-07
著者
小谷 瑛輔 田中 祐介 中野 綾子 若島 正 木村 政樹 矢口 貢大
出版者
富山大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

近代において、将棋と文学は密接に関わりあいながら展開してきた。本研究では、その様相を具体的に解き明かし、データベースや論集にまとめた。一つ目は、小説という近代的な新しい概念が将棋の比喩によって誕生し、その後も文学の概念に影響を与えてきたこと。二つ目は、新聞・雑誌メディアの発展において将棋と文学がともに重要なコンテンツであったということ。三つ目は、文壇の人的ネットワークにおいて将棋が大きな役割を果たしてきたことである。
著者
前川 玲子 若島 正 加藤 幹郎
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究は、両大戦間の時期を中心に、ファシズムを逃れてアメリカに亡命した知識人たちが、アメリカの文化や社会との出会いの中でどのような思想変容を遂げ、同時にアメリカ社会にどのような変化をもたらしたかという相互変容の歴史を辿るものである。我々は、「亡命」という概念を、政治的・民族的な迫害による望まざる移動という客観的現実と、トランス・ナショナルな可能性を追求しようとする新たな主体の形成という二重の視点から捉えようとした。具体的には、ロシア、ドイツ、東欧を逃れてアメリカに移住し、「異郷」を永住の地にした多彩な知識人の生き様、彼らの残した作品、アメリカ文化・社会への影響などに焦点をあてた。地理的移動、文化的な異種混交、祖国からの心理的断絶と望郷、および「家郷なきもの」の疎外感などに注目しながら、個々の人物や集団の思想的変容や新たな表現形態の獲得などを探っていった。学際的な亡命知識人研究を目指そうとした我々は、三つのアプローチを用いた。第一は、ナチズムから逃れてきた学者に研究の機会を提供した高等教育機関や財団などの資料をもとに、ヨーロッパとアメリカを結ぶ知のネットワーク作りに果たした亡命学者の役割を検証するものである。第二のアプローチでは、亡命知識人の中でアメリカ文学に大きな影響を与えたウラジーミル・ナボコフの小説を取り上げ、そのテキスト分析を中心に据えた。第三のアプローチでは、亡命者がアメリカの大衆文化、とくに映画産業に与えた影響を辿った。本報告書において我々は、ナチズムと対峙するなかで新たな学問的パラダイムを形成していった社会科学者たち、ナボコフを中心とした亡命文学者、さらには映画の観客としてまた製作者としてアメリカ映画史に一時代を築いた移民や亡命者などの実像に迫ることで、知識人の「亡命」という現象がもたらしたアメリカの文化的、社会的変容の複雑な諸相を示そうとした。
著者
佐々木 徹 若島 正
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

佐々木はアムステルダムで行われた国際ディケンズ学会で、アメリカの批評家エドマンド・ウィルソンによる画期的なディケンズ論を再考する学術講演を行った。この中では英国の学者たちによるウィルソンに対する反論を考察した。また、チェスタトンの著したディケンズに関する古典的研究書の解題・序論を英国の出版社から世に問うた。特に、この論の中では、ディケンズのトランスアトランティック的体験、すなわち彼のアメリカ旅行をチェスタトンがそのディケンズ論の中心においていることの意味を考察した。若島は、トランスアトランティックという概念をさらに広く異文化間交流の問題につなげて研究を進め、ウラジーミル・ナボコフの『ロリータ』をテキストとして、その諸言語における翻訳がいかにさまざまな文化間を越境する場を生み出すかを考察した論文を発表し、日本英文学会関西支部の年次大会において、「コスモポリタニズムと英米文学」と題されたシンポジアムで司会兼講師を務め、「亡命文学の変容」というテーマで発表を行った。このコスモポリタニズムという概念が、あらゆる側面におけるグローバル化とも関連して、トランスアトランティックという英米交流の主題と近接するのは言を俟たない。「亡命文学の変容」で取り上げたのは、ドイツのロシア人、およびアメリカのロシア人である現代作家2人で、異郷に同化したこの2人のロシア人が描く物語が、いかにナボコフが描いたような過去の亡命文学から隔たっているかを論じた。また、「英語青年」誌に掲載された論文「ジョン・ホークスと飛田茂雄」は、ある意味で文学を通じた日米交流の一記録をたどり直した論考でもある。
著者
若島 正
出版者
研究社出版
雑誌
英語青年 (ISSN:02872706)
巻号頁・発行日
vol.148, no.2, pp.107-109, 2002-05