著者
茂木 健司 笹岡 邦典 佐々木 真一 鈴木 克年 根岸 明秀
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.511-516, 2000-11-01 (Released:2009-10-15)
参考文献数
10

著者らは, 口腔機能検査の一つとして口腔内容積を測定する方法, 含水法を考案し, その再現性, 客観性を検討した.方法 : 水を満たした60mlのシリンジ先端を被験者の口角より口腔内に挿入後, 水を注入し, その最大値を記録し, 6回の平均値を口腔内容積とした.結果 : 1.健常被験者10名の口腔内容積の測定から, 被験者の顎位を中心咬合位で測定する方が, 自由な顎位での測定より測定値に変動が少なく, 再現性が高いと考えられた.2.口腔内容積は身長, および全頭高との問に相関が認められた.そのため口腔内容積を個人間で比較するときは身長を付記すべきものと思われた.3.各種顎口腔外科的手術患者7例の手術前後の口腔内容積の変化は手術内容とよく一致しており, 本法は客観性があると考えられた.
著者
茂木 健司 笹岡 邦典 樋口 有香子 根岸 明秀 橋本 由利子 外丸 雅晴
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.239-244, 2007-08-01 (Released:2007-09-11)
参考文献数
28
被引用文献数
2

【背景・目的】 口腔に存在する多数の常在菌は局所的疾患の原因となるだけでなく, 全身的障害をも引き起こす. そのため, 口腔ケアは全身疾患予防の観点から重要視されている. 今回, 各種含嗽剤による口腔常在菌数減少効果について検討した. 【対象と方法】 健常成人21名に対し, 含嗽前の唾液, および7%ポビドンヨード30倍希釈液, 薬用リステリン®(青色) 原液, 薬用クールミントリステリン®(黄色) 原液, おのおの30mlを, 15秒間口腔内に貯留後の唾液を検体とし, 一般細菌, カンジダの培養後, 含嗽剤作用前後のコロニー数を比較した. 【結 果】 一般細菌は, 含嗽前では全例から検出されたが, 含嗽後では69~93%で減少した. カンジダは, 含嗽前では27~47%に検出され, 含嗽後では25~88%で減少していた. いずれも薬用リステリン®(青色) の減少率が高かった. 【結 語】 含嗽剤を口腔に貯留することにより, 一般細菌, カンジダを減少させる効果が認められ, 特に薬用リステリン®(青色) の効果が高かった.
著者
神野 恵治 茂木 健司 笹岡 邦典 根岸 明秀
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.1-7, 2008-02-01 (Released:2008-04-09)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

【背景・目的】 先に著者らは口内貯留による各種含嗽剤の薬剤効果を報告した. 今回は含嗽という機械的清掃行為が加えられた場合の一般細菌, カンジダを減少させる効果について検討した. 【対象と方法】 健常成人18名に対し, 水道水, 薬用リステリン®(青色) 原液, 2倍希釈液, 4倍希釈液, 薬用リステリン®(黄色) 原液, 2倍希釈液, 4倍希釈液, ポピドンヨード 30倍希釈液, ハチアズレ®, 3 %過酸化水素水, ネオステリン・グリーン®50倍希釈液おのおの30mlを含嗽後の唾液を検体とし, 一般細菌, カンジダの培養後, 含嗽剤作用前後のコロニー数を比較した. 【結 果】 一般細菌は, 含嗽前では全例から検出されたが, 含嗽後では50.0~100%で減少した. カンジダは, 含嗽前では23.0~38.0%に検出され, 含嗽後では40.0~100%で減少していた. いずれも薬用リステリン®(青色) 原液, ポピドンヨード30倍希釈液の減少率が高かった. 【結 語】 含嗽剤を用いて含嗽することにより, 一般細菌, カンジダを減少させる効果が認められ, 特に薬用リステリン®(青色) 原液, ポピドンヨード30倍希釈液の効果が高かった.
著者
大音 俊明 増田 政久 林田 直樹 ピアス 洋子 中谷 充 浮田 英生 志村 仁史 茂木 健司 塚越 芳久 中島 伸之
出版者
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
雑誌
日本心臓血管外科学会雑誌 (ISSN:02851474)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.36-39, 2001-01-15 (Released:2009-04-28)
参考文献数
13
被引用文献数
1

Intravenous leiomyomatosis (IVL) は子宮筋腫あるいは子宮内静脈壁から生じた組織学的に良性な平滑筋腫が静脈内に成長進展したものと定義され, まれに右心系へ達することもある疾患である. 症例は43歳の女性で, 右内腸骨静脈から下大静脈を経て右房右室にいたるIVLに対し体外循環を用いた開心・開腹による腫瘤摘出術を行った. 体外循環を開始するさい, 下大静脈への脱血管挿入は腫瘤が障害となり困難であった. 経右房的腫瘤切除を行ったのち, 脱血管を挿入したが予想外に出血が多く血行動態の悪化を招いた. 経右房的腫瘤切除は循環停止下に行ったほうが安全かと思われた. また術後, 腫瘍組織が残存した場合には再発の可能性が高いので本症例では予防的に抗エストロゲン剤の投与を継続している. 術後2年4カ月を経過し静脈内に再侵入する腫瘍像は認めず手術および術後の薬物治療が有効であったと考えられた.
著者
今井 正之 茂木 健司 三木 沙央里 山口 徹 笹岡 邦典 根岸 明秀
出版者
社団法人 日本口腔外科学会
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.53, no.10, pp.628-632, 2007-10-20 (Released:2011-04-22)
参考文献数
14

In the oral region, traumatic neuroma is rarely encountered in daily clinical practice. As this lesion is caused by some kinds of trauma, traumatic neuroma may develop after operations such as tooth extraction. Traumatic neuroma appears to be a tumors, however, pathologically it is not thought to be a neoplasm, but nodular hyperplasia in nerve fibers. A typical case of traumatic neuroma is presented. A 32-year-old woman with a nodule arising in the left mental foramen region was referred to us. The nodule was first noted 6 years ago and persisted without any change until treatment. Before the nodule had appeared, the patient underwent surgical removal of a mucocele from the left mental foramen at another hospital. After the operation, the same region underwent surgery twice because of recurrence. The nodule was slightly tender, covered with normal mucosa, and red-bean size at presentation. A traumatic neuroma was diagnosed clinically. The tumor was removed under local anesthesia and examined histopathologically. Numerous distinct neural bundles with densely fibrous connective tissue were observed histopathologically in the specimen. The histopathological diagnosis of traumatic neuroma was established. No signs of recurrence have occurred so far.