著者
高松 賢司 平松 佑一 藤田 暢一 木瀬 憲司 荒木 和子 宮井 一郎
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.153-157, 2022 (Released:2022-04-20)
参考文献数
15
被引用文献数
1

〔目的〕回復期リハビリテーション病棟を退院した後の在宅生活におけるFunctional Independence Measure(FIM)運動下位項目の経時的変化を明らかにする.〔対象と方法〕対象は,退院直後から訪問リハビリを開始した41名の脳卒中患者とした.診療録から抽出したFIM運動項目合計と,その下位項目の点数を各時期(退院時,退院直後,退院後3ヵ月)で比較した.〔結果〕退院直後は排泄(排便)が向上,移動(歩行)が低下した.退院後3ヵ月はセルフケア(食事,清拭,更衣下半身,トイレ動作),排泄(排尿,排便),移乗(ベッド,トイレ,浴槽),移動(階段)が向上したが,整容,更衣上半身,歩行は変化しなかった.〔結語〕退院後3ヵ月におけるFIM運動下位項目の変化は,生活段階で異なることが示唆された.
著者
荒木 和子 篠崎 立彦 入江 嘉子 宮澤 幸久
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.305-310, 1999-04-20 (Released:2011-02-07)
参考文献数
12
被引用文献数
1 4

Bifidobacterium breve YIT4064 (B.breve YIT4064) はマウスにおいて抗ロタウイルスIgA産生を増強し, ロタウイルス感染を防御することがすでに報告されている.今回は乳幼児にみられるロタウイルス感染に対する同菌体の防御効果の可能性について検討した.某乳児院内の乳幼児10例を投与群として, 1日1回, 50mg (菌数: 5×1010) のB.breve YIT4064を2日間連続投与し, 同室に在室していた乳幼児9例を対照群とした.試験期間中, 対照群の9例中2例からロタウイルスの排出が認められたが, 10例のビフィズス菌投与群からはロタウイルスの排出は認められなかった.試験期間を7日間ごとに4分割し, 両群のウイルス排出頻度とロタウイルス特異的IgA抗体陽性比率を比較した.その結果, days8~14において, 対照群のウイルス排出検体数は32検体中4検体であるのに比べ, 菌体投与群は38検体中0検体であった.ビフィズス菌投与群ではdays8~14において抗ロタウイルスIgA陽性例が増加しているのに対し, 対象群では調査期間を通じてIgA陽性数の有意な増加はみられなかった.以上のことからB. breve YIT4064の投与によりIgA抗体産生が増強され, ロタウイルスの排出頻度が有意に減少したと考えられた.
著者
荒木 和子 篠崎 立彦 入江 嘉子 宮澤 幸久
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.305-310, 1999
被引用文献数
4

<I>Bifidobacterium breve</I> YIT4064 (<I>B.breve</I> YIT4064) はマウスにおいて抗ロタウイルスIgA産生を増強し, ロタウイルス感染を防御することがすでに報告されている.今回は乳幼児にみられるロタウイルス感染に対する同菌体の防御効果の可能性について検討した.<BR>某乳児院内の乳幼児10例を投与群として, 1日1回, 50mg (菌数: 5×10<SUP>10</SUP>) の<I>B.breve</I> YIT4064を2日間連続投与し, 同室に在室していた乳幼児9例を対照群とした.試験期間中, 対照群の9例中2例からロタウイルスの排出が認められたが, 10例のビフィズス菌投与群からはロタウイルスの排出は認められなかった.試験期間を7日間ごとに4分割し, 両群のウイルス排出頻度とロタウイルス特異的IgA抗体陽性比率を比較した.その結果, days8~14において, 対照群のウイルス排出検体数は32検体中4検体であるのに比べ, 菌体投与群は38検体中0検体であった.ビフィズス菌投与群ではdays8~14において抗ロタウイルスIgA陽性例が増加しているのに対し, 対象群では調査期間を通じてIgA陽性数の有意な増加はみられなかった.<BR>以上のことから<I>B. breve</I> YIT4064の投与によりIgA抗体産生が増強され, ロタウイルスの排出頻度が有意に減少したと考えられた.