著者
満崎 克彦 福永 久美 采田 憲昭 菅 守隆 藤本 貴久 工藤 康一 吉田 健一 多田 修治 須古 博信 浦田 譲治 神尾 多喜浩
出版者
一般社団法人 日本消化器がん検診学会
雑誌
日本消化器がん検診学会雑誌 (ISSN:18807666)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.378-386, 2008 (Released:2012-03-25)
参考文献数
25
被引用文献数
1

胃内視鏡検診にて発見された十二指腸腺腫(乳頭部を除く)20例21病変の臨床病理学的所見について検討した。発見頻度は0.027%で, 男女比14:6, 平均年齢51.0歳(33歳から70歳), 十二指腸下行部に多く(94.4%), 乳頭部対側に多かった(64.7%)。平均径7.4mm(3mmから20mm)と比較的小さく, IIa型9病変, IIa+IIc型5病変, IIc型3病変, Is型2病変, Ip型2病変で, 扁平な隆起性病変あるいは浅い陥凹性病変が多かった。色調は褪色調15病変(71.4%), 正色調2病変(9.5%), 発赤調4病変(19.0%)で, 褪色調病変が多かった。組織型は管状腺腫18病変, 管状絨毛腺腫3病変であった。14例が内視鏡切除され, 6例は経過観察された。偶然発見される十二指腸腺腫は, 頻度こそ少ないものの胃内視鏡検診にて遭遇し得る十二指腸腫瘍性病変の一つである。十二指腸下行部に褪色調の扁平隆起性病変あるいは浅い陥凹性病変が認められた場合, 十二指腸腺腫を念頭におく必要がある。
著者
菅 守隆 西川 博 安藤 正幸 田中 不二穂 赤池 孝章 坂田 哲宣 河野 修 伊藤 清隆 中嶋 博徳 荒木 淑郎
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.461-466, 1989-04-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
16

マイコプラズマ肺炎の診断は, 発症初期には困難なことが多く, 決め手となる補助診断法はない. 我々は, マイコプラズマ肺炎が細菌性肺炎と異なった免疫応答をすることに注目し, 血清中 Adenosine deaminase 活性値 (ADA) が発症初期の細菌性肺炎とマイコプラズマ肺炎の鑑別に有用か否かについて検討した. その結果, マイコプラズマに対する抗体価が上昇する以前の早期 (発症3~10日目) に, マイコプラズマ肺炎患者11名の血清中ADAは, 32.1±12.0U/l (63.9~18.7U/l) であり, 正常対照者の平均値±2SDである20.8U/l以上の活性値を示す患者は11例中10例であった. 一方, 細菌性肺炎患者20名では12.5±3.3U/l (4.6~18.6U/l) であり, 全例20.8U/l以下であった. マイコプラズマ肺炎患者のADAは, 細菌性肺炎患者および正常対照者に比べて有意に高く (p<0.001), 発症初期の細菌性肺炎とマイコプラズマ肺炎の鑑別に極めて有用であると考えられた.