著者
荒木 淑郎
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.11, pp.731-736, 2009 (Released:2009-12-28)
参考文献数
5
被引用文献数
1

The Japanese Society of Neurology was founded in 1960. The Department of Neurology was established at The Kyushu University Faculty of Medicine in 1963, and then The Japanese Neurology has advanced.
著者
橋本 洋一郎 大谷 智子 平野 照之 平田 奈穂美 荒木 淑郎
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.80-86, 1991-04-25 (Released:2009-09-03)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

Tuberothalamic artery領域の右視床梗塞を来した結核性髄膜炎の32歳男性例を報告した.発熱と頭痛で発症し, 経過中に失見当識, 了解不良や傾眠状態が出現した.CTではtuberothalamic artery領域の右視床に造影効果のない梗塞巣と考えられる低吸収域を認め, これが失見当識などの原因と考えられた.脳底槽は等吸収域を呈し著明な造影効果を呈した.MRIでは脳底部の血管はflow void phenomenonのため低信号域を呈したが, 脳底槽はT1強調画像で等信号域, T2強調画像では髄液より低い高信号域を呈し, 著明な造影効果を呈し, これがgranulomatous basal arachnoiditisの部位を示していると考えられた.結核性髄膜炎で急に意識障害や精神症状を来した場合には脳梗塞の合併を考慮する必要がある.
著者
岡本 定久 石原 大二郎 荒木 淑郎
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.48-50, 2013-01-20 (Released:2013-01-25)
参考文献数
4
被引用文献数
1

要旨:症例は41歳男性,配管工.40歳から高血圧,脂質異常症の既往あり.平成X年7月から建設中施設内での溶接作業に従事し,体重が5 kg以上減少した.8月某日,最高気温36度,湿度67%と炎暑下での屋外作業となった.午後から,手足のしびれ,有痛性筋痙攣を自覚した.帰宅時に筋痙攣・全身倦怠感が増悪し,その後から傾眠傾向となり当院救急外来を受診した.来院時,傾眠傾向,右眼球偏倚,左中枢性顔面神経麻痺,構音障害,左不全片麻痺,左半側空間無視を呈し,また,診察時有痛性筋痙攣を頻回に認めた.検査所見では,低Na性脱水を認めた.頭部MRIにて,右中大脳動脈領域に脳梗塞を認めた.本症例は,熱中症を契機に脳梗塞が発症したと考えられた.
著者
坂田 哲宣 安藤 正幸 吉田 和子 荘田 恭聖 荒木 淑郎 篠田 孝子 池田 玲子 小嶋 伸夫 酒井 博
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.123-128, 1988

1家族4人のうち3人が夏型過敏性肺臓炎を発症し, 1人が非発症であった. 住居は, 建築後13年目の木造家屋で, 発症1年前南側に倉庫が建ち,日当りと風通しが悪くなっていた. 発見の発端となった患者は, 43歳男性で, 昭和60年6月末より発熱, 咳嗽, 喀痰, 呼吸困難があり, 外泊, 退院により症状が反復するため来院した. そこで患家の環境調査, 免疫学的検討および抗原吸入誘発試験を行った結果, 環境より T. cutaneum の serotype I (血清型) を分離した. 分離株に対する発症者3例の血清特異抗体は, 共に陽性であった. 発症者3例の抗原吸入誘発試験では, serotype Iに陽性2例,疑陽性1例であったが, T. cutaneum の serotype II (TIMM1318株) に対しては3例共に陰性であった. 以上より, 発症者3名をT. cutaneum に起因する夏型過敏性肺臓炎と診断し得たが, 原因抗原の決定にあたっては本菌の serotype についても考慮すべきであることが明らかになった.
著者
菅 守隆 西川 博 安藤 正幸 田中 不二穂 赤池 孝章 坂田 哲宣 河野 修 伊藤 清隆 中嶋 博徳 荒木 淑郎
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.461-466, 1989-04-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
16

マイコプラズマ肺炎の診断は, 発症初期には困難なことが多く, 決め手となる補助診断法はない. 我々は, マイコプラズマ肺炎が細菌性肺炎と異なった免疫応答をすることに注目し, 血清中 Adenosine deaminase 活性値 (ADA) が発症初期の細菌性肺炎とマイコプラズマ肺炎の鑑別に有用か否かについて検討した. その結果, マイコプラズマに対する抗体価が上昇する以前の早期 (発症3~10日目) に, マイコプラズマ肺炎患者11名の血清中ADAは, 32.1±12.0U/l (63.9~18.7U/l) であり, 正常対照者の平均値±2SDである20.8U/l以上の活性値を示す患者は11例中10例であった. 一方, 細菌性肺炎患者20名では12.5±3.3U/l (4.6~18.6U/l) であり, 全例20.8U/l以下であった. マイコプラズマ肺炎患者のADAは, 細菌性肺炎患者および正常対照者に比べて有意に高く (p<0.001), 発症初期の細菌性肺炎とマイコプラズマ肺炎の鑑別に極めて有用であると考えられた.