19 0 0 0 OA 2.肥満症と炎症

著者
菅波 孝祥 小川 佳宏
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.4, pp.989-995, 2011 (Released:2013-04-10)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

肥満を中心として発症するメタボリックシンドロームの基盤病態として慢性炎症が注目されている.最近,マクロファージを中心とする免疫担当細胞が肥満の脂肪組織に浸潤し,アディポサイトカインと総称される生理活性物質の産生異常を招来することにより,メタボリックシンドロームの病態形成に中心的な役割を果たすことが明らかになってきた.本稿では,肥満の脂肪組織に浸潤するマクロファージに焦点を当てて,脂肪組織炎症の分子機構に関する最近の知見を概説する.
著者
蜂屋 瑠見 菅波 孝祥 小川 佳宏
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.480-482, 2011 (Released:2011-08-09)
参考文献数
5
被引用文献数
2
著者
亀井 康富 菅波 孝祥
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

「寝たきり」や「ギプス固定」等により骨格筋を使わない状態が続くと、骨格筋量が減少し、その機能が低下する(廃用性筋萎縮/アトロフィー)。しかし、この廃用性筋萎縮の生じるメカニズムは不明である。本研究は骨格筋量の調節分子として、廃用性筋萎縮時に著しく変動する転写因子であるFOX01および関連分子に着目し、骨格筋の萎縮・増量の分子機構の解明を目指し研究を行うものである。FOX01マウスの遺伝子発現および培養細胞を用いたin vitroの検討から、FOX01による筋萎縮はA)蛋白質分解の促進、B)細胞増殖抑制、C)蛋白質合成の抑制、という経路の遺伝子発現を増強するためであることが示唆された。さらに、絶食・再摂食のようなエネルギー状態の変動により骨格筋において核内受容体RXRγの遺伝子発現がFOX01と逆方向に変動することを見出した。さらに、骨格筋特異的にRXRγあるいはそのドミナントネガティブ変異体を過剰発現するトランスジェニックマウス(RXRγマウスおよびDN-RXRγマウス)を作製し、その骨格筋ではそれぞれSREBP1cの遺伝子発現が著しく増加あるいは減少していることを見出した。以前に作製していたFOX01を骨格筋で過剰発現するトランスジェニックマウス(FOX01マウス)ではSREBP1cおよびRXRγの遺伝子発現が減少していた。In vitroの解析によりFOX01はRXR/LXRを介するSREBP1cの遺伝子活性化を抑制する事を明らかにした。これらの結果は、骨格筋においてSREBP1cの遺伝子発現はRXR/LXRにより活性化され、FOX01により負に調節されることをin vivo,in vitroで示すものである。
著者
西條 美佐 菅波 孝祥
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

Glycosylation-inhibiting factor (GIF)はCD4T細胞内で活性化・分泌され、CD4細胞がサイトカインIL-4を分泌するTh2細胞への分化を阻止する分子であることを明らかにしてきた。アレルギーにおいて重要な杯中心(germinal center)においてGIFが濾胞性ヘルパーT細胞への分化・産生とIL-4の分泌を制御し、T細胞依存性抗体IgEの産生を抑制することを明らかにした。GIFのレセプターの候補遺伝子を同定した。我々はさらにGIFにagonisticな抗体を作製し、IL-4の分泌とIgE抗体の産生を阻止するアレルギーの創薬に発展する予定である。