著者
井澤 修平 城月 健太郎 菅谷 渚 小川 奈美子 鈴木 克彦 野村 忍
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.91-101, 2007 (Released:2007-10-19)
参考文献数
78
被引用文献数
42 34

近年,疾病予防などの観点からストレスの評価法に注目が集まっている.本稿では唾液を用いたストレス評価について概説した.人の唾液には様々なストレス関連物質が存在することがわかっており,非侵襲的なストレス評価法として利用できる可能性が考えられる.唾液採取,検体の取り扱い,測定などの基本的事項を紹介し,唾液より測定可能な 7 つの物質(コルチゾール,デヒドロエピアンドロステロン,テストステロン,クロモグラニン A,3-メトキシ-4-ハイドロキシフェニルグリコール,α アミラーゼ,分泌型免疫グロブリン A)の各種ストレスとの関連や使用の際の留意点を概観した.最後に目的や状況に応じた唾液によるストレス評価の方法や今後の課題について述べた.
著者
井澤 修平 城月 健太郎 菅谷 渚 小川 奈美子 鈴木 克彦 野村 忍
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.91-101, 2007
被引用文献数
17 34

近年,疾病予防などの観点からストレスの評価法に注目が集まっている.本稿では唾液を用いたストレス評価について概説した.人の唾液には様々なストレス関連物質が存在することがわかっており,非侵襲的なストレス評価法として利用できる可能性が考えられる.唾液採取,検体の取り扱い,測定などの基本的事項を紹介し,唾液より測定可能な 7 つの物質(コルチゾール,デヒドロエピアンドロステロン,テストステロン,クロモグラニン A,3-メトキシ-4-ハイドロキシフェニルグリコール,α アミラーゼ,分泌型免疫グロブリン A)の各種ストレスとの関連や使用の際の留意点を概観した.最後に目的や状況に応じた唾液によるストレス評価の方法や今後の課題について述べた.<br>
著者
菅谷 渚 池田 和隆
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.263-268, 2011 (Released:2017-02-16)
参考文献数
21

G蛋白質活性型内向き整流性カリウムチャネル(GIRKチャネル)は様々な依存性物質のシグナ ル伝達を担う。哺乳類においてGIRKチャネルには4つのサブユニットがあり,GIRK1 ~ 3サブユニットは主に中枢神経系に広く分布し,GIRK4サブユニットは主に心臓に存在している。著者らは,(1)GIRK2サブユニットの遺伝子配列の差異がオピオイド感受性に影響していること,(2)フルオキセチン,パロキセチン,イフェンプロジルはGIRKチャネルを阻害し,メタンフェタミン嗜好性を減弱させるが,フルボキサミンはGIRKチャネルを阻害せずメタンフェタミン嗜好性も減弱させないこと,(3)カルテ調査においてGIRKチャネル阻害能を持つ薬物に依存治療効果が期待できることを見出した。これらの研究成果から,GIRKチャネルは報酬系において鍵となる分子の1 つと考えられ,依存症治療の標的分子としても期待される。
著者
木村 健太 井澤 修平 菅谷 渚 小川 奈美子 山田 クリス孝介 城月 健太郎 長野 祐一郎 長谷川 寿一
出版者
日本生理心理学会
雑誌
生理心理学と精神生理学 (ISSN:02892405)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.41-51, 2016-04-30 (Released:2017-12-28)
参考文献数
30
被引用文献数
1

本研究は,急性心理社会的ストレスに対するコルチゾールの反応性が脅威刺激からの注意解放の困難さと関連するか否かを検討した。この目的のため,手がかり刺激の提示時間を比較的長くした(1,000 ms)空間手がかり課題を用いて怒り顔への注意バイアスを計測した。実験参加者は,急性心理社会的ストレス課題を行った後空間手がかり課題を行った。本研究では,急性心理社会的ストレス課題により上昇した唾液中コルチゾール値に基づき,実験参加者をコルチゾール反応者と非反応者に分けた。その結果,反応者は怒り顔に対する注意の解放困難を示したのに対して,非反応者は怒り顔からの迅速な注意解放を示した。これらの結果は,急性心理社会的ストレスに対するコルチゾールの反応性の高さが脅威刺激からの注意解放の困難さと関連することを示唆する。