著者
山室 亮介 萩野 昇
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.97, no.1, pp.1-5, 2023-01-20 (Released:2023-01-20)
参考文献数
10

抗原定性検査と逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR:Reverse Transcription-Polymerase Chain Reaction)の新型コロナウイルス検出に関する比較試験はこれまでにも行われているが,感染性を有する患者の特定に関する差については分かっていない.抗原定性検査,RT-PCR検査を入院時に同時に採取し,2021年2月21日から2021年10月8日に入院した患者1,101人に対してスクリーニングを行ない,それぞれの検査が感染性を有する患者の特定にどのように寄与したのかを後ろ向きに検討した.検査結果が乖離した症例は7例あり全て抗原定性検査陰性,RT-PCR検査陽性だった.いずれの検査も陽性が9例,いずれも陰性が1,085例だった.抗原定性陰性,RT-PCR検査陽性となった7例中6例が最終的に感染性はないと判断された.また,7例中1例が感染性あると判断され,この症例は肺炎を伴っていた.研究期間内の感染性を有する患者の検出に関して,症状や暴露状況から新型コロナウイルス感染の事前確率が高い場合は抗原定性検査よりRT-PCR検査が有用だった症例が1例あったが,無症状かつ暴露がない場合には抗原定性検査とRT-PCR検査は同等だった.
著者
萩野 昇
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.98, no.10, pp.2421-2431, 2009 (Released:2012-08-02)
参考文献数
10
被引用文献数
1

原因不明の発熱・不明熱患者の診療に際しては,感染症,膠原病・リウマチ性疾患,悪性腫瘍,その他,の4つのカテゴリーを念頭に置きつつ診察・検査を進める.膠原病・リウマチ性疾患の診断は特徴的な病像と臨床経過に頼る部分が大きく,感染症や悪性腫瘍の注意深い除外診断が必要になる.本稿では,リウマチ科医の視点から見た原因不明の発熱・不明熱診療について,リウマチ性疾患の診断に重点を置いて記載した.
著者
山室 亮介 萩野 昇
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
pp.e22019, (Released:2023-01-06)
参考文献数
10

抗原定性検査と逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR:Reverse Transcription-Polymerase Chain Reaction)の新型コロナウイルス検出に関する比較試験はこれまでにも行われているが,感染性を有する患者の特定に関する差については分かっていない.抗原定性検査,RT-PCR検査を入院時に同時に採取し,2021年2月21日から2021年10月8日に入院した患者1,101人に対してスクリーニングを行ない,それぞれの検査が感染性を有する患者の特定にどのように寄与したのかを後ろ向きに検討した.検査結果が乖離した症例は7例あり全て抗原定性検査陰性,RT-PCR検査陽性だった.いずれの検査も陽性が9例,いずれも陰性が1,085例だった.抗原定性陰性,RT-PCR検査陽性となった7例中6例が最終的に感染性はないと判断された.また,7例中1例が感染性あると判断され,この症例は肺炎を伴っていた.研究期間内の感染性を有する患者の検出に関して,症状や暴露状況から新型コロナウイルス感染の事前確率が高い場合は抗原定性検査よりRT-PCR検査が有用だった症例が1例あったが,無症状かつ暴露がない場合には抗原定性検査とRT-PCR検査は同等だった.
著者
萩野 昇
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1007-1010, 1968-08-10

症例1M.K.44歳,農家主婦(会社員の家族,兼農業) 家族歴 同胞6名,2名健在,4名は戦死,肺炎その他で死亡,実母は昭和14年イタイイタイ病にて死亡,姑も昭和19年イタイイタイ病にて死亡している.