著者
藤井 仁奈
出版者
文教大学
雑誌
文学部紀要 (ISSN:09145729)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.77-97, 2011-03-15

シェイクスピアの『ハムレット』に登場するオフィーリアは、「恋人への献身を最も完璧に立証する」狂気と死を表現する乙女として、19世紀の多くの画家によって描かれる。同時代に、ランボーは詩「オフィーリア」を完成させる。オフィーリアが(『ハムレット』にはない)百合やヴェールに喩えられ、純潔と死を象徴することは、この詩の1節を中心に読み取れる。続く2節では、彼女の狂気に陥った原因が、自ら夢を求めたことに由来することが明らかになる。彼女は、自ら夢を求めるがゆえに狂気に陥り、「黒い波のうえ」を永遠に漂う、ランボー独自の創造物として描かれる。彼女の狂気の原因が当時の倫理観や価値観から逸脱しているという意味で、ランボーのオフィーリアは、(「狂気の処女」を含めた)『地獄の季節』の語り手と軌を同じくする。この小論では、ランボーの「オフィーリア」の独自性を指摘し、後年書かれる『地獄の季節』へと通じる点を指摘したい。
著者
後藤 健介 金子 聰 藤井 仁人 奥村 順子 Panditharathne N. G. S. Gunasekera Deepa
出版者
大阪教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、スリランカにおけるデング熱の実態を把握するとともに、同国でデング熱の対策として実施されている、環境負荷のない、地域レベルでの地域清掃プログラムについて、エビデンス度の高い評価を行う研究を展開し、持続可能なデング熱対策を構築するために必要な基礎情報を収集することとした。研究成果として、実際に地域清掃プログラムが実施された、および拡大されている地域においてはデング熱患者が減少していることが分かった。この減少は自然環境の変化によるものではなく、本プログラムによるものであることも判明し、かつ、リサイクルや住民の協力、政府の指導の下、本プログラムが持続可能性が高いものでることが分かった。
著者
山本 卓 藤井 仁奈
出版者
文教大学大学院言語文化研究科付属言語文化研究所
雑誌
言語と文化 (ISSN:09147977)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.140-156, 2009-03 (Released:2011-11-04)

Dans Délire I, un des chapitres d'Une saison en enfer, le monologue de la Vierge folle raconte la relation du couple, Vierge folle et l'Époux infernal. Nous allons analiser la structure de la narration pour éclaircir la relation de ce couple, et la présence du locuteur qui apparaît momentanément au début et à la fin de ce chapitre.