著者
山本 卓
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.75, no.10, pp.1183-1188, 2009-10-05 (Released:2011-02-07)
参考文献数
10
被引用文献数
4 5
著者
土田 満 伊達 ちぐさ 中山 健夫 山本 卓 井上 真奈美 山口 百子 岩谷 昌子 陳 浩 田中 平三
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.35-44, 1991 (Released:2010-04-30)
参考文献数
34
被引用文献数
1 2

健康な20歳代男子5人を被験者として, 連続3日間, ナトリウム (Na), カリウム (K), カルシウム (Ca), リン (P), マグネシウム (Mg), 亜鉛 (Zn) の出納実験を行った。この結果に基づいて, 摂取量と糞中, 尿中排泄量または血清中濃度との相関を解析した。1) 出納実験より, Na, K, Pは摂取量の大部分が尿中へ排泄されていた。摂取量に対する尿中への排泄率はNaが85%と最も高く, Pが84%, Kが74%であった。逆にCa, Mg, Znは糞中へ排泄される割合が高く, 尿中への排泄率はCaが38%, Mgは25%と低かった。 Znのそれは7.1%であった。2) 摂取量と糞中排泄量との相関を検討してみると, Kのみが統計学的に有意の正相関を示した。3) 摂取量と尿中排泄量との間には, Na (r=0.974) とK (r=0.891) が統計学的に有意な正相関を示した。4) 各ミネラルの摂取量と血清中濃度との間には, 統計学的に有意な相関関係が認められなかった。5) Na, K, Ca, P, Mg, Znの尿中, 糞中の量, 血清中濃度から各ミネラル摂取量を推定するには, 尿中クロール排泄量からの方法がよく知られている。今回の実験では, これをNa, Kの24時間尿中排泄量から求める方法の有用についても示した。
著者
山本 卓登
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2020年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.269, 2020 (Released:2020-03-30)

Ⅰ 研究の背景と目的中山間地域の地域公共交通を支えてきた路線バス事業は,利用者の減少と他部門での収益性の悪化により厳しい状況に置かれている.自治体に移管されたのちも,収益性の改善は見込まれない.地域公共交通に関しては,工学や経済学の分野から効率的な運行形態を模索する研究,地域社会学や人文地理学の分野から事例に基づき現状や経緯の分析を行う研究など,多分野の研究蓄積がある.一方で,地理的条件や生活実態を踏まえて,保障すべき地域公共交通の内容を明らかにするような,実践的な研究が不足している.本研究は長野県下伊那郡阿南町を事例に,中山間地域の存立基盤として保障すべき,地域公共交通の内容を明らかにするとともに,具体的な運行案の提示を試みる.Ⅱ 対象地域の概況阿南町は長野県南部の下伊那郡に位置する.下伊那地域の中心都市は飯田市であるが,高校や病院を有する阿南町は周辺の村に対する中心機能を有している.阿南町の地域公共交通は幹線道路を走行し阿南町と周辺の村,飯田市を結ぶ南部公共バス,各集落と医療機関を結ぶ町民バス,近隣の村に拠点を置くタクシーがある.阿南町は,前2者の運行に関わっており,後者には半額補助のタクシー券を発行することで関わっている.なお,飯田市への交通には,町の東側に隣接する泰阜村内を走るJR飯田線も併用されている.Ⅲ 利用実態の分析に基づく保障水準の導出現状の地域公共交通の利用実態を踏まえると,阿南町における地域公共交通の合理的な保障水準は,①主に通学需要に対応するため幹線道路沿いに停留所を持つ路線を平日毎日運行すること,②主に通院需要とそれに付随する買い物需要に対応するため,集落内に停留所を持ち集落と医療機関(や周辺商業施設)を結びつける路線を週1回以上運行することであることが導出される.通院需要に対応する便の運行頻度の導出根拠は,週2回以上運行する町民バスの路線の停留所別の乗降記録から,定期的に週2回以上利用している者がいる可能性が低いことに基づいている.また,現行のタクシー券は補助率が低いため,長距離の利用では1回あたりの自己負担額が大きい.そのため病院から離れた地区の住民には利用されず,病院周辺の住民に利用が偏る現状がある.通学需要や病院への通院需要に対応する南部公共バスの運行には一定の妥当性があるため,改善案は町民バスとタクシー券のみを対象として検討した.Ⅴ 具体的な改善案と合理性の検討先述の水準に基づき改善案を示す.概要としては次の通りである.①通院需要に対応する町民バスの路線の運行頻度を週1回に統一する.②利用の極端に少ない町民バスの路線を廃止し,他の路線を一部デマンド化することで利用できる地域を拡大する.③財政支出を抑制しながらタクシー券を必要としている住民が利用できるよう,購入制限の追加や補助率の引き上げといったタクシー券の制度変更を行う.利用者にとっては,②③によって保障水準が満たされる住民が増えることに利点がある.経営に苦しむタクシー事業者にとっては,1回当たりの利用額が多い比較的長距離の利用が促進されるため増収が見込まれる.町民バスの受託事業者としては減収となるものの,課題である運転士確保の問題を緩和することになるため,許容範囲と考えられる.自治体は,出資者の立場としては財政支出の拡大をもたらさないため許容できると考えられ,地域公共交通の計画者の立場としてはタクシー事業者の経営への好影響が地域公共交通の選択肢の維持に繋がるという利点がある.Ⅵ おわりに以上,保障水準の導出,運行案の提示,合理性の主張を行った.インテンシブな調査による住民感覚の把握,検討手法の一般性を検討する事例研究の積み重ねが,今後の課題である.
著者
中川 剛 糸川 高史 中島 康晴 山本 卓明 馬渡 太郎 本村 悟朗 大石 正信 秋山 美緒 岩本 幸英
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.217-219, 2013-03-25 (Released:2013-06-11)
参考文献数
12

人工股関節全置換術(THA)後の脱臼は最も頻度の高い合併症の一つであり,多くの因子の関与が報告されている.そのうち,骨頭径は最も大きなインプラント因子であることとされている.32mm骨頭径の脱臼予防効果を明らかにする目的で,1998年以降の初回THA症例で1年以上経過観察し得た923症例1033関節の脱臼率を調査した.各骨頭径における脱臼率は22mm:194関節中9関節(4.6%),26mm:717関節中15関節(2.09%),32mm:110関節中0関節(0%)であり,Pearson単変量解析にて3群間に有意差を認めた.32mm径骨頭は有意にTHA後脱臼を減少させた.
著者
山本 卓
出版者
文教大学
雑誌
文学部紀要 (ISSN:09145729)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.1-22, 1999-03-01

アラゴン後期の代表作『死刑執行』には、作者自身の自我の投影である「二重人間」が登場する。同一人物の公的な面と私的な面とを代表するアントワーヌとアルフレッドの二人がその二重人間だ。彼らはそれぞれに、作者の内面の対立する両極を具現化した存在である。この二人の対立を通して、後期のアラゴンの内的な葛藤が明らかにされていく。実はしかし、この、二重人間という認識のための仮説は、ロマネスクな世界に入り込むための出発点にしか過ぎないのだ。アラゴンはこうした対話の装置を媒介としつつ、より高度の多声的な構造を持った作品空間を構築していくからである。二つの声による対話は、副次的なさまざまの声を呼び寄せつつ、やがては数多くの声が語り合う多声的な空間を創造していく。本稿では、そうした多声的空間生成のプロセスを、パフチンなどの理論と対照しつつ考察する。
著者
古賀 幹朗 西尾 淳 中山 鎭秀 山本 卓明
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.721-724, 2022-09-25 (Released:2022-11-07)
参考文献数
8

【目的】当科で経験した7例の血管平滑筋腫の臨床像,MRI所見,病理組織像を検討する.【対象と方法】2016年1月から2021年4月までに病理組織学的に血管平滑筋腫と確定診断された7例(男性3例,女性4例,平均年齢60.1歳)を対象に発生部位,局在,疼痛の有無,チネル兆候の有無,自覚時から生検あるいは手術までの期間,術前X線所見,術前MRI所見,病理所見,再発の有無を調査した.【結果】発生部位は足関節・足部4例,下腿2例,膝部1例で,局在は全て皮下であった.疼痛があるものは6例,チネル兆候は全て陰性であった.MRI検査は全例で施行され,腫瘤はT1強調像で低~等信号,T2強調像で不均一な高信号を示した.造影MRI検査が施行された4例では全て強い造影効果を認めた.6例で辺縁切除が行われ,再発はなかった.1例は生検のみであった.病理所見において森本の分類では全例solid typeであった.【結論】血管平滑筋腫は下肢の皮下に発生する有痛性軟部腫瘤の鑑別診断として考慮すべき疾患である.
著者
安積 一平 西田 英高 田中 美有 桑村 充 嶋崎 等 田中 利幸 山本 卓矢 秋吉 秀保
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.e75-e80, 2023 (Released:2023-05-02)
参考文献数
12

7歳齢の避妊雌のトイプードルが,右前肢の跛行を主訴に受診した.初診時のX線検査では右肩甲骨の骨増生及び皮質骨の不整が認められた.病変部位の組織の一部を採取したところ,非感染性の骨の炎症が疑われた.プレドニゾロン内服によって臨床徴候の改善が認められ,休薬によって血中C反応性蛋白(CRP)の高値及び両後肢不全麻痺が認められるようになった.核磁気共鳴画像(MRI)検査によって,第1-2胸椎,第4-5胸椎の硬膜外脂肪の炎症が認められ,特発性無菌性化膿性肉芽腫と診断した.免疫抑制量のプレドニゾロン及びシクロスポリンの内服によって,両後肢の神経徴候は改善し,血中CRPは正常範囲内まで低下し,MRI検査では病変は消失していた.本症例では,無菌性化膿性肉芽腫が肩甲骨及び硬膜外脂肪に発症したと考えられた.
著者
山本 卓
出版者
文教大学
雑誌
文学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Language and Literature (ISSN:09145729)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.1-31, 2011-09-01

ダダイズム、そしてシュルレアリスムの詩人として出発したルイ・アラゴンはいわゆる「アラゴン事件」の後にシュルレアリスムの陣営を追われ、長い曲折を経てレアリスムの小説家として生まれ変わる。その後、長らく「現実世界」の連作や『レ・コミュニスト』の作家として社会主義レアリスムの立場に立つ人間だと見なされてきた。そのアラゴンが晩年になって発表した『死刑執行』(1965)や『ブランシュまたは忘却』(1967)は批評家たちや読者たちから一種の驚きをもって迎えられた。そこには明らかにシュルレアリスム的な手法への「先祖返り」が認められたからだ。この時期に書かれた自伝的なエッセイ『私は書くことを決して覚えようとしなかった、または冒頭の一句』(1969)はアラゴンにおける言葉の誕生の秘密を明らかにしようという優れて生成論的なテクストであり、アラゴンの後期小説を読み解く上でも数多くの示唆を与えてくれる作品なのだ。
著者
市川 賢 前山 彰 小田 大嘉 中山 鎭秀 石松 哲郎 小林 知弘 鎌田 聡 山本 卓明
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.630-633, 2021-09-25 (Released:2021-11-12)
参考文献数
6

【背景及び目的】内側型変形性膝関節症に対するOWHTOは良好な長期成績が報告されている.インプラントの長期留置に伴う破損,違和感等の合併症が報告され,本邦では抜釘術が行われる傾向にある.一方,抜釘術自体に伴う感染・神経損傷等の危険性もあり海外では抜釘術に関しては一定の見解はない.また,これまでに抜釘術の術後評価を行った研究はない.研究の目的はOWHTOの抜釘術の満足度を調査することである.【対象及び方法】2015年4月から2020年3月までにOWHTOの抜釘術を施行し術後満足度を調査可能であった25例28膝.抜釘術の満足度をアンケートを用いて評価し,術前後の臨床評価スコアとの関連を調査した.【結果】VAS,NRSが術前後でそれぞれ有意に低下を認めた(P<0.05).82%の患者に抜釘術に対して満足/非常に満足との回答が得られた.【結論】OWHTO後の抜釘術により患者満足度は向上する.
著者
山本 卓資 松野 純男 笠波 嘉人 榊原 幹夫 岡田 啓 川畑 篤史
出版者
一般社団法人 日本薬局学会
雑誌
薬局薬学 (ISSN:18843077)
巻号頁・発行日
pp.cr.2021-0003, (Released:2021-06-14)
参考文献数
9

在宅訪問薬剤師が心不全を合併する患者における薬剤の副作用を観察し,医師に処方提案した.2018 年 4 月,85 歳女性に対し,薬物の副作用と主訴との関連を調査し,高血圧,食欲低下,徐脈等が認められた.ジゴキシンの血中濃度が中毒域であり,収縮期血圧 160~200 mmHg,脈拍 40~50 回 / 分であるため,医師と中止検討を行った.その結果,同年 5 月には収縮期血圧 120~130 mmHg,脈拍 60~70 回 / 分と改善した.その後,同年 8 月,頻脈(脈拍 110 回 / 分)があり,ベラパミルが追加された.在宅訪問薬剤師が呼吸音の聴取,体重等の結果を処方医師に情報提供した.その結果,ベラパミルを頓用に変更,ロキソプロフェンナトリウムも中止となった.薬剤による副作用の可能性の判断を行うのは,医療専門職以外の介護者には困難である.そのため,在宅訪問薬剤師による介入,医師への情報提供は重要である.
著者
堀内 成子 近藤 潤子 小山 真理子 木戸 ひとみ 大久保 功子 山本 卓二 岩澤 和子
出版者
Japan Academy of Nursing Science
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.8-17, 1990
被引用文献数
1 5

本研究は, 妊婦および褥婦の睡眠の主観的評価と睡眠ポリグラフ所見との間の関連性を明らかにすること, および妊婦各期と産褥早期の睡眠推移を明らかにすることを目的に終夜睡眠を分析した.<BR>妊婦11週~37週までの正常妊婦7例と, 産褥1週~7週までの正常褥婦4例を対象とし, 終夜睡眠をポリグラフ装置で連続3夜測定した. 睡眠段階はRechtshaffen & Kalesの判定基準を用いた. 対照群として健康な非妊期の女性4例を選び, 測定した.<BR>その結果, 主観的な睡眠深度経過では, 前半単相性パターンと前半多相性パターンとに分かれ, ポリグラフ所見との間に関係が認められた. 睡眠パラメータでは, 妊婦群が非妊婦群に比べて睡眠率が低く, 特に末期群では眠りが浅くなっていた. 産褥早期には, 妊娠末期よりさらに睡眠率が低かったが, 妊婦末期に比べて%S4は増加の傾向が認められた.
著者
山本 卓
出版者
文教大学
雑誌
文学部紀要 = Bulletin of The Faculty of Language and Literature (ISSN:09145729)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.27-63, 2007-03-01

散文と詩とを二項対立的な視点で捉えるのが、アラゴンの同時代の散文観における通念だった。だが、こうした二分法的な単純化によっては捉えることのできない散文の中の異質な要素の存在が、アラゴンの散文には認められる。散文の中での詩的言語の奔放な使用、言葉遊びの思いがけない展開、コラージュ的な表現の唐突な挿入などのさまざまな技法がそれである。その中でも、とりわけ重要な問題だと考えられる散文の中の詩的言語と音声性の問題を分析する。
著者
山本 卓
出版者
金沢大学教育学部
雑誌
金沢大学教育学部紀要.人文・社会科学編 (ISSN:02882531)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.15-26, 1999-02-01

金沢大学