著者
強矢 治 鶴岡 学 久保田 真理 中西 真紀子 田川 雅代 森 千秋 斉藤 久美子
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3,4, pp.99-103, 2004 (Released:2007-11-07)
参考文献数
14

ウサギの臼歯不正咬合の発生要因を検討するため,発症群137例,対照群345例について疫学的に調査するとともに,食餌内容に関するアンケート調査を行い,発症群34例,対照群58例より回答を得た。発症群の平均体重は対照群よりも有意に低く,体格の小さなウサギほど臼歯不正咬合を発症しやすい可能性があるものと思われた。臼歯不正咬合の罹患率は雑種で高く,ロップイヤー系品種で低い傾向にあった。雄は雌に比べて罹患率が有意に高かった。発症群の平均乾草摂取量は対照群と比較して有意に少なく,過去の記述と一致して,乾草摂取量が少ないことは臼歯不正咬合発症の危険因子となりうることが推察された。食餌指導により乾草の摂取量を十分確保させること,さらに雑種や雄,そして体格の小さな個体には,より厳密な食餌指導を行うことが,臼歯不正咬合の発症予防となり,または発症後の進行防止に役立つものと思われた。
著者
西 真紀子 熊谷 崇 ウェルトン ヘレン
出版者
一般社団法人 日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.399-407, 2016 (Released:2016-08-03)
参考文献数
14

リスク評価(CRA)に基づき,患者個人にカスタマイズドしたう蝕予防,つまりパーソナライズド・カリエス予防(PCP)は日本人にまだ新しい医療サービスである.Rogersのイノベーション普及理論によると,普及の初期段階のキーパーソンは,イノベーションについての知識が高いとされている.われわれは,PCPプログラムへのアクセス困難が,この新しいプログラムの普及を妨げていると仮定した.アンケート調査による本横断研究の目的は,う蝕と歯周病のリスク評価を促進することを目的としたあるNPO 法人(PSAP)を通した成人(20 歳以上)を対象に,(1)PCP 利用者の割合を調べ,(2)PCPプログラムを受けていない理由をまとめ,(3)カリエスリスクについての知識がPCPへのアクセスと関係しているかを決定することにより,この仮定を調査することである.被験者はPSAPの初期の賛同歯科医院会員の患者(グループA:N=389),新規の賛同歯科医院会員の患者(グループB:N=78),新規一般会員(グループC:N=68)とした.主要なアウトカム変数は,患者によるPCPプログラムの利用,PCPプログラムを受けていない理由,選ばれたカリエスリスクファクター/インディケータの合計と,8つのリスクファクター/インディケータを選んだ回答者の割合である. グループAはPCPプログラムの利用率が最も高く(83.0%, 99% CI: 71.4–94.7),グループB (59.0%, 99% CI: 21.8–96.1),グループC (27.9%, 99% CI: 13.4–42.5)と続いた.グループAとCには,統計学的有意差があった(p<0.01).PCPプログラムを受けていない最も多い理由は,グループAB(グループAとBの混合)で"それについて知らなかった"(68.4%),グループCで"かかりつけ歯科医がしてくれない"(53.1%)だった.彼らはグループABのPCP非利用者よりカリエスリスクの知識が高く,リスクファクター/インディケータの中にはグループABのPCP利用者よりもよく知っているものもあった.これらの知見を一般化すると日本における潜在的なPCP利用者は,彼らの歯科医師がこのサービスを提供していないためにPCPプログラムへアクセスする機会がないのだろう. 結論として,PCPプログラムへのアクセスは,歯科医師が提供しているサービスに決定され,患者の知識はPCPへのアクセスに関係なかった.日本において社会決定要因へのアプローチを通してPCPプログラムの利用可能性を高めるために更なる努力が必要である.

1 0 0 0 OA 兎の全身麻酔

著者
斉藤 久美子 中西 真紀子
出版者
獣医麻酔外科学会
雑誌
獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:09165908)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.27-32, 1998-01-31 (Released:2010-09-09)
参考文献数
12