著者
野村 聡
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.33-45, 2022 (Released:2022-10-19)
参考文献数
34

Electronic Theory of Organic Chemistry is one of the most characteristic theories in chemistry. This theory continues to be taught in current chemical education, despite its incompatibility with quantum theory and its clearly recognized limitations. How can this be explained? I will try to answer this question using the concept of explanatory understanding, which has recently been discussed in the philosophy of science. In doing so, I intend to use De Regt's approach (2017) to scientific understanding as a kind of explanatory understanding. By looking at it from the perspective of scientific understanding, I will be able to defend electronic theory of organic chemistry in this sense, as it provides organic chemists with an understanding of the phenomenon of organic synthesis.
著者
府川 和永 伊藤 義彦 三崎 則幸 野村 聡子
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.307-315, 1975 (Released:2007-03-29)
参考文献数
10
被引用文献数
5 2

静脈注射剤投与による血栓性静脈炎の発生予測を行うための試験法を考案し,その病態モデルについて2,3の検討を加えた.実験はウサギ耳介後静脈を用い,血栓性静脈炎発生方法として,検体を単に静脈注射する方法(静注法),血管局所に検体を一定時間貯溜させる方法(貯溜法)の2法について検討した.その結果,静注法では,血栓性静脈炎の発生は認められたが,その発生率は低く,検出率を高めるためには実験例数の増大や大量投与の必要があり,被験薬によっては中毒量に至るような不都合が生ずるため試験法として適さないと考えられた.貯溜法では,少量(0.05ml)の検体を毎日3分間血血局所に貯溜させることY:.より,高率に血栓牲静脈炎の発生がみられ,その病像は組織学的にも静脈注射後のヒト血栓性静脈炎像に酷似することを確認した.また,この方法を用いた数種の薬剤の血栓発生率や炎症強度は臨床統計資料と相関関係を示すことが認められた.さらに,貯溜法において短時間内に反復処置することにより血栓発生率が増大し,その効果は静注法における検体容量効果と相関関係を示すことを見い出した.このことにより,一定容量の検体を処置する貯溜法によっても,臨床上注射容量の異なる検体の発生頻度予想を可能とした.なお,これらの血栓性静脈炎の発生において,血栓は注射針挿入により損傷をうけた血管内壁と刺激性検体の接触が,炎症症状の発現には血管壁およびその周囲組織への刺激性検体の拡散がそれぞれ主要因となることを考察した.したがって,この貯溜法は静脈用注射剤の血栓性静脈炎試験法として適しており,この方法によって臨床上わずか0.04%程度の発生をも予測しうることを見い出した.

1 0 0 0 OA 雪月花の詩学

著者
野村 聡
出版者
美学会
雑誌
美学 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.117, 2018 (Released:2020-03-23)
著者
野村 聡 塩谷 猛 渋谷 哲男 内間 久隆 鈴木 英之 内田 英二
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.50-54, 2011 (Released:2012-02-25)
参考文献数
10
被引用文献数
1

症例は56歳,男性.主訴は気尿,糞尿.腹部CT検査で膀胱内にガス像と膀胱に癒着するS状結腸を認めた.注腸造影検査では上行結腸とS状結腸に多発する憩室,更にS状結腸狭窄と同部位から膀胱内へ造影剤の流出を認めた.S状結腸憩室炎による結腸膀胱瘻と診断し,手術療法をすすめたが,仕事上の都合により保存的治療を希望し,内視鏡的バルーン拡張術を施行した.一時的に症状は改善したが,糞尿が増悪したため,S状結腸切除,膀胱部分切除術を施行した.病理組織学的にもS状結腸憩室炎に伴う結腸膀胱瘻と診断された.結腸膀胱瘻の根治には手術が必要と考えられた症例を経験した.