著者
西口 幸雄
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.1225-1228, 2016 (Released:2016-12-20)
参考文献数
2

PEGは口から食べられない人にとって、きわめて安全で効率の良いエネルギー投与ルートである。PEGが「無駄な長生き」「国民医療費の無駄使い」のシンボルとして社会的にバッシングを受けてからというもの、PEG造設件数は減少した。いわゆる「PEGバッシング」があってから、どのようなことが起こっているのであろうか。代わって経鼻胃管や PICCの件数が増えている。PEG造設件数の減少は診療報酬の改定による造設手技料の減少によるところも大きい。また、在宅においては経腸栄養管理よりも経静脈栄養管理したほうが診療報酬が高いことも一因である。PEGが必要なひとに PEGができない現状であれば、非常に不幸である。PEGバッシングによって、PEGのエンドユーザーには無用の精神的な苦痛を与えていることは、ゆゆしい問題である。これを打破するには、社会に対する PEGの啓蒙と医師に対する栄養療法の教育が必要である。
著者
西口 幸雄
出版者
日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会
雑誌
日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会誌 (ISSN:18820115)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.83-90, 2015

<p> 研究会、講習会は、各地域で非常に苦労して組織化し、またその組織の維持についてもかなり苦労を強いられる。関西では非常にうまく現在組織化されているので、これまでの経過について述べる。</p><p> 研究会は昭和56年10月に第1回目が開催された。おそらく大阪大学の進藤先生や安富先生や堂本さんたちが中心になって初期の組織を作られたのだろう。その後は研究会は年に1-2回定期的に行われ、現在は年に1回6月に開催されている。研究会は世話人により運営され、世話人には関西の主な施設と大学病院での代表者が就任し、認定看護獅も活発な活動を行っているものは世話人に就任してもらっている。現在は世話人27人が年に1回研究会の開催時に会議を行い、予算・決算の承認のほか、雑誌STOMA発刊の報告なども行っている。この組織は人員の入れ替えは適宜おこない、大阪市都島区にある事務所で秘書が常駐し、研究会組織および事業の管理を行っている。費用はすべて会員の年会費で賄われている。</p><p> 講習会は昭和57年7月に第1回目が開催された。これも大阪大学の進藤先生たちを中心とした有志ではじめられたと聞く。その後現在まで毎年開催されているが、現在は、研究会の事業としての講習会で、講習会の実行委員によって運営されている。実行委員は153人で、それにボランティアが加わり、運営されている。実行委員は毎年少しずつ入れ替わりがあり、新しい認定看護師も毎年ボランティアとして参加している。</p><p> 関西では、研究会も講習会もまず会員になることから始まる。会員の中で研究会の中心となる人物を世話人として選び、講習会は会員の中から実行委員を選ぶ。研究会という組織を予算を含めて固めておけばそれに見合った活動ができる。研究会の事業として講習会の開催、雑誌STOMAの発刊を行っているが、余裕が出てくればそのほかいろいろな事業の提案も受け入れたいと考えている。</p>
著者
玉森 豊 西口 幸雄
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.959-963, 2014 (Released:2014-08-20)
参考文献数
7

PEGは経腸栄養の重要性の認識とともに認知度が高まってきている.PEG造設法には Pull/Push法と Introducer法がありそれぞれに利点・欠点があるが,最近はIntroducer法の欠点を補った Introducer変法によるキットが多用されるようになってきた.Introducer法では胃壁固定は必須でありPull/Push法では固定なしでも可能であるが事故抜去の可能性などを考えると固定が望ましい.交換法については瘻孔損傷をしないように愛護的におこなう必要があり,ガイドワイヤーやスタイレット同梱のキットであればそれを利用するのもよい.確認には内視鏡等の観察下におこなう直接確認法と,交換後のカテーテルから造影したり内容液を吸引したりする間接確認法があり,間接確認法の場合は内部バンパーの瘻孔内留置を見落とす可能性があることを留意すべきである.最近超細径内視鏡を経胃瘻的に胃内に挿入する確認法もされつつあり,低侵襲で確実な確認法であることから今後の普及が待たれる.