著者
深谷 達史 植阪 友理 田中 瑛津子 篠ヶ谷 圭太 西尾 信一 市川 伸一
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.88-104, 2016-03-30 (Released:2016-04-11)
参考文献数
24
被引用文献数
16 11

学習者同士の教えあいは, 内容の理解だけでなく, 日常的な学習場面における効果的な学習方略の使用をも促す可能性がある。本研究では, 学習法の改善を企図した2つの教えあい講座の実践を報告した。2010年度の予備実践では, 理解することの重要性や教えあいのスキルを教授したにもかかわらず, 生徒の問いが表面的である, 教え手が聴き手の理解状態に配慮しないという問題が確認された。これらの問題は, 生徒が「断片的知識/解法手続きを一方的に教える」という教授-学習スキーマを保持するために生起したものと考えられた。そこで, 2012年度の本実践では, こうしたスキーマに働きかける指導の工夫を取り入れ, 「関連づけられた知識を相互的に教えあう」行動へと変容させることを目指した。高校1年生320名に対し, 講演を中心とした前半と2回の教えあいを中心とした後半(計6時間)の教えあい講座を行った。教えあいの発話と内容理解テストの分析から, 理解を目指したやり取りがなされ, 教えあった内容の理解が促進されたことが示された。また, 説明することで理解状態を確認する方略や友人と教えあいを行う方略の使用が講座により増加したことが明らかとなった。
著者
西尾 信一
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.76-79, 1989-06-25 (Released:2017-02-10)

現在,はねかえり係数は,衝突問題を解くのに運動量保存則と並列して使うための数学的手段として,生徒に認識されているきらいがある。そこには,物理的な現象としての衝突のイメージがほとんどない。また,生徒は「力学的エネルギーは弾性衝突のときしか保存されない」ということを暗記するが,一方で「衝突がどのようなものであっても運動量mvは保存されるのに,運動エネルギーmv^2/2は特別なときしか保存されない,というのは合点がゆかない」と言う。これらの問題を改善するため,はねかえり係数を用いないで,弾性衝突と非弾性衝突との違い,衝突時のエネルギー保存の問題などを指導する授業展開を考えてみた。
著者
西尾 信一
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育学会年会物理教育研究大会予稿集 16(1999) (ISSN:24330655)
巻号頁・発行日
pp.63, 1999-08-09 (Released:2017-07-20)

物理IAの授業で、学習指導要領の「(5)物理学の影響・・・イ ものの見方と物理学」の指導内容として、オカルト・非合理を批判し、科学的・合理的な考え方の価値を提示する授業を毎年行っている。また、このような授業に関する効果的な教材や指導案を収集・開発し、教師向けの資料集を作成した。本ポスターセッションでは、授業で行っている超能力マジックや教材の内容と資料集を紹介する。