著者
西山 由美子
出版者
和歌山大学
雑誌
和歌山大学教育学部教育実践研究指導センター紀要 (ISSN:09182683)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.133-143, 1994-03-31

中学生の文章表現能力の伸長を図るためのカギの一つは,「構成に対する評価力」を育てることにあるという論については,本紀要No.2に示した。今回の論考では,前回の論に基づき,平成5年4月に入学した生徒40名の生徒の作文自己評価力の変容を追うことにより,構威力を高めるための読書感想文指導のありかたを考察してみたい。研究の対象者である40名の生徒は,1学期の創作文の指導を通じて「起承転結」の構成に関する学習を経験している。今回の実践では,あらすじに終始する生徒が大半を占めた読書感想文(夏休みの課題として出題卜を取り上げ,構成力を高めるための手立てについて1試案を提示してみたい。具体的な方法としては,学習過程の中間段階で「構想発表会」を設定することにより,構成に対する効力感を高めることを試みた。そして,各々の生徒の作文の能力と自己評価力の両面から,構成力の高まりを考察する。
著者
西山 由美
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.426-427, 2023 (Released:2023-05-01)

神戸薬科大学は自然豊かな六甲山の麓にあり、薬用植物園は大学の北西部、標高100 mに位置している。圃場は山の斜面を利用してひな壇状に設置され、管理棟、冷温室も含め敷地面積は2,776 m2、日本薬局方収載生薬の基原植物をはじめ、有用・有毒植物など年間を通して約1,000種近くを栽培展示している。近年は学生ガイドの育成や薬用植物園レターの発行など、植物園を教育や憩いの場として活用する取り組みを行っている。
著者
守安 正恭 市丸 百代 西山 由美 加藤 篤
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.42, no.11, pp.659-665, 1993-11-05 (Released:2009-06-30)
参考文献数
10
被引用文献数
6 11

過塩素酸ナトリウムをイオン対試薬としイオン対抽出法とイオン対HPLCを結合して植物からアルカロイド(植物塩基)を迅速に取得する方法を開発した.四級アルカロイドは過塩素酸イオンとイオン対を生成し,酸性条件下1,2-ジクロロエタンで定量的に抽出される.又,三級アルカロイドも定量的に抽出される場合が多いが,抽出率が低い場合もある.得られた塩基の粗過塩素酸塩分画は過塩素酸ナトリウムをイオン対試薬とするHPLCで良好に分離でき,この系は分取への応用が容易である.すなわち分取HPLC後,各ピークのフラクションから有機溶媒を留去し,残りの水相を1,2-ジクロロエタンで振り混ぜるとアルカロイドが抽出され,1,2-ジクロロエタンを留去すると純粋なアルカロイドの過塩素酸塩が得られた.ボウイ,エンゴサク,ナンテンジツの3種の生薬に対してこの方法を適用したところ,いずれの場合もアルカロイドが定量的に抽出されHPLC分離も良好であった.又ボウイについては分取HPLCも行い,シノメニン,マグノフロリンを迅速に取得できた.