著者
三上 隆三
出版者
和歌山大学
雑誌
経済理論 (ISSN:04516222)
巻号頁・発行日
vol.327, pp.45-64, 2005-09
著者
奥 忍
出版者
和歌山大学
雑誌
和歌山大学教育学部教育実践研究指導センター紀要 (ISSN:09182683)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.123-127, 1996-08-24

本稿は日本の合唱教育の現状を、西洋音楽の影響という視点からグローバルにとらえようとするものである。日本民謡「斎太郎節」に焦点をあて、伝統的な日本民謡の様式と西洋様式による合唱のかけ声の音響的相異を明らかにするとともに、それらがいかに知覚・認知されるかという2側面から合唱における西洋音楽の影響を論じた。
著者
今井 敏博
出版者
和歌山大学
雑誌
和歌山大学教育学部教育実践研究指導センター紀要 (ISSN:09182683)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.1-8, 1994-08-20

小学校教員志望学生の,乗法の意味の拡張特に乗数が整数から有理数になることについての算数としての意味づけに関する調査を行い,その結果を分析した。乗数が小数の場合も累加の考えがあてはまると反応した被験者が3割近くもあり,予想を上回った。しかし,それらの被験者は,割合としての考えをもち備えており,累加の形で拡張できないかの模索の中での葛藤の状態にあると思われる。
著者
森下 正康
出版者
和歌山大学
雑誌
和歌山大学教育学部教育実践総合センター紀要 (ISSN:13468421)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.87-100, 2001

今日のいじめや不登校,学級崩壊などの問題行動の背景に,自己制御機能の発達や思いやり,攻撃性の問題が関与していると考えられる。これまで子どもに対する母親の影響について検討してきた。今回は,主として父親の態度がどのような影響を与えるか,さらに父親の態度と母親の態度の組合せパターンが子どもの自己制御機能等の発達にどのような影響を与えるかを検討した。和歌山県下の市部と郡部の計5つの幼稚園と保育園から3,4,5歳児を対象に,担任教師と母親,父親に評定を求めた。子どもについては,自己抑制,自己主張,思いやり,攻撃性の4特性に関して担任教師に評定を求め,養育態度については,受容,統制,矛盾,実権について,母親父親それぞれに自己評定を求めた。すべてのデータがそろった489名について分析した。主要な結果は次の通りであった。(1)男子について,母親が愛情豊かな場合あるいは父親が愛情豊かで統制がゆるやかな場合,思いやりが形成される。女子について,愛情豊かで統制がゆるやかな父親の場合は自己抑制が発達する。それに対して,冷たくて厳しい母親の場合は女子の自己抑制が育たず攻撃性が高くなる。また,冷たくて厳しい父親の場合は女子の思いやりが育たず攻撃性が高くなる可能性がある。(2)母父の態度の組合せパターンについてまとめると次のようになる。両親の暖かい受容的な態度は女子の自己抑制の発達にとって重要である。それに対して,両親の冷たく拒否的な態度は子どもの攻撃性を高める。(3)両親共に統制がゆるやかな場合,女子の自己抑制の発達にプラスの影響を与えるが,男子の自己主張の発達にマイナスの影響を与える。また,母親だけが厳しく統制的な場合は子どもに高い攻撃性を形成させる。(4)両親共に矛盾しない一貫した態度をもっている場合は,男子の自己抑制や自己主張の発達にプラスの影響を与える。(5)自己主張は,男子の場合は父親が,女子の場合は母親が子育ての実権を持っている方が発達する。両親が実権を持っている場合には,男子の自己制御や思いやりの発達に対してマイナスの影響を与える可能性がある。
著者
山神 達也
出版者
和歌山大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

日本社会が人口減少期に突入することを踏まえ、本研究では、人口分布の変動過程と地域人口の動向を検証した。その結果、日本全体と地方単位の二つの空間スケールで、人口が成長ないし停滞する大都市圏と人口減少が進む大都市圏外という対比の鮮明化、及び高齢化の進展による自然減少の地域差の拡大を明らかにした。また、京都府と京都府舞鶴市を対象とした分析から、地域人口の変化では、地域経済と住宅供給の歴史と現況、それらの結果としての年齢構成が相互に作用してきたことを示した。
著者
尾久士 正己 富田 晃彦 曽我 真人 中山 雅哉
出版者
和歌山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

理科教育の中での天文分野の特徴は、その観察対象のスケールが桁違いに大きいことである。そのため、天文現象を理解するときには、学習者の視点を自身から遠く離れた宇宙空間に置く必要がある。この視点移動は、理科教育だけでなく、大人になるために非常に重要な概念の獲得であるが、子どもたちにとっては難しいとされてきた。そこで、我々は、身近な天体である地球、金星、太陽の位置関係を学ぶ教材として、金星の太陽面通過のインターネット中継とe-learning教材を、また、地球、月、太陽の位置関係を学ぶ教材として、日食の全天周映像のインターネット中継を使った教材を開発し、教育実践した。金星の太陽面通過の教材では、視点を太陽系内に置き、地球上の離れた2点からの観測データから、宇宙のスケールの基本単位である、地球=太陽間の平均距離(1天文単位)を求める教材を開発した。また、日食教材では、現地にいる観測者にしか経験できない、月の影に入るという感覚を、疑似体験できるよう、観測地の全天周映像をすべて、インターネットで遠隔地のプラネタリウムドームで再現するという実験を行った。その結果、ほとんどの被験者が、日食は月の影に入る現象であることを認識し、視点を地球から離れた宇宙空間に容易に移動することができた。また、同時に取得した気温や地表面温度のデータから、よりリアルな疑似体験の実現についても方向性を示すことができた。この成果から、今後はプラネタリウムが星座の動きを学習するだけの施設ではなく、様々な疑似体験が可能な空間であることを示すことができた。