- 著者
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西本 勝夫
中村 昌司
今井 智弘
田中 繁宏
藤本 繁夫
- 出版者
- 理学療法科学学会
- 雑誌
- 理学療法科学 (ISSN:13411667)
- 巻号頁・発行日
- vol.14, no.4, pp.181-187, 1999 (Released:2007-03-29)
- 参考文献数
- 23
- 被引用文献数
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この研究の目的は,老人保健施設に入所中の虚弱な高齢女性20例(非訓練群10例・82.6±4.7歳,訓練群10例・81.3±4.8歳)を対象に,この内,訓練群に対して2ヵ月間の「椅子からの立ち上がり動作」の訓練を行い,その効果を検討することである。非訓練群には有意な変化はなかったが,訓練群では,訓練動作の最大持続時間(314±190→710±326秒),大腿四頭筋の平均トルク値(0.46±0.27→0.78±0.37Nm/Kg)と筋電図積分値(100→146±32%),膝関節伸展のMotorTime(159±30→121±29msec)および6分間歩行距離(159±48→238±59m)が有意に改善した。訓練による変化量であるΔ平均トルク値とΔ筋電図積分値,Δ最大持続時間ならびにΔMotor Timeとの問にそれぞれ有意な相関を示した。また,6分間歩行距離と最大持続時間ならびに平均トルク値との問にも有意な相関を示した。今回の訓練によって,主に大腿四頭筋の神経・筋系の興奮性の改善が筋力や筋持久力を増大し,さらに,筋力の増大が筋の反応性を改善し,これらが歩行能力を増大させたと考えられる。