著者
長﨑 浩爾 玉里 祐太郎 西村 一樹
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.12, pp.569-576, 2021-12-30 (Released:2021-12-30)
参考文献数
33

健常成人男性15名を対象として,自体重による低強度,短時間スクワット(SQ)の糖負荷後高血糖に対する急性降下作用について検討した.測定条件は75 g含有糖質液を摂取させて120分間仰臥位安静を保持するコントロール条件(C)と糖負荷後30分にSQ(10回/セット×3セット,セット間の休憩1分間)を80 BPM,40 BPMの速さで負荷するSQ80とSQ40を設定した.SQ負荷後30分の血糖はCと比してSQ80,SQ40とも有意に降下し,SQ80と比してSQ40が有意に低値であった.糖負荷後60分ではCと比してSQ40が有意に低値であった.血糖曲線下全面積はCと比してSQ40が有意に低値であった.運動強度はSQ80で3.5±0.5 METs,SQ40で4.0±0.6 METsでSQ40が有意に高値であった.糖負荷後高血糖に対する自体重の低強度,短時間SQによる急性降下作用が示唆された.
著者
飯田 智行 関 和俊 高木 祐介 家光 素行 西村 一樹 宮坂 雄悟
出版者
就実大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

暑熱環境における「スポーツ観戦者」の温熱的ストレス指標に及ぼす影響を検討した。その結果、次のことが明らかになった。①観戦者は熱中症に対する危険意識が低い、②口渇感に頼る水分摂取量では十分ではない、③お茶のみの飲水では体内電解質が不足する、④日常的に曝露されている気象・環境が暑熱環境での応答に影響を及ぼす、⑤女性と比較して男性は水分摂取量が少なく,脱水率が高い。以上のことから、暑熱環境下の観戦は,ほぼ安静状態であっても暑熱ストレスの影響を受け,熱中症発症の可能性が高いことが明らかになった。
著者
西村 一樹
出版者
広島工業大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

覚醒中の舌下温の日内変動特性を客観的かつ定量的に評価する方法を考案し,若年者500名(平均年齢20歳)および中高齢者40名(平均年齢59歳)を対象に舌下温の日内変動特性と生活習慣および健康関連尺度指標との関連性を明らかにした.以下の知見を得た.①舌下温の日内変動特性は,生活習慣の乱れによって,位相が後退すること.②舌下温の日内変動特性と健康関連尺度の精神的要素と関連性が観察されたこと.③朝食摂取および午前の軽運動の実施が,舌下温の日内変動特性の形成・修復に寄与する可能性があること.以上のことは,基本的な生活習慣がサーカディアンリズムの獲得に寄与し,精神的健康度を高めることを示唆する.