著者
西村 勝治
出版者
南江堂
雑誌
臨床雑誌内科 (ISSN:00221961)
巻号頁・発行日
vol.112, no.1, pp.91-95, 2013-07-01

ステロイドは精神症状の発症リスクがもっとも高い薬剤の一つであり,自殺のリスクは7倍に上昇する.気分障害(躁病,うつ病,混合性の各エピソード),精神病性障害,せん妄,軽度認知障害など多彩な臨床症状を呈する.急速・高用量投与時には躁病エピソードが,長期投与ではうつ病エピソードが生じることが多い.ステロイド誘発性精神障害(CIPD)の発症は用量依存的であるため,治療の原則はステロイドの減量・中止である.対症療法として,躁病エピソードには抗精神病薬や気分安定薬が適応となる.うつ病エピソードには慎重に選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を用い,三環系抗うつ薬を使用しない.せん妄,精神病性障害には抗精神病薬を用いる.精神科医との連携が欠かせない.
著者
西村 勝治 佐藤 恵里
出版者
一般社団法人 日本総合病院精神医学会
雑誌
総合病院精神医学 (ISSN:09155872)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.42-51, 2011-01-15 (Released:2014-10-11)
参考文献数
64

全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)による神経精神病変(neuropsychiatric SLE:NPSLE)はSLE患者の約半数に出現し,予後不良,他の臓器病変合併の増加,QOLの低下と関連している。NPSLEの発症には微細な血管障害(vasculopathy),神経細胞に対する自己抗体の産生,髄腔内のサイトカインの産生など,多因子的なメカニズムが想定されている。NPSLEは疾患特異的な指標に乏しく,診断のためのゴールドスタンダードは存在しないため,NPSLE以外の要因をきちんと除外し,臨床症状,血液および髄液検査所見,脳波,脳イメージング,免疫学的マーカーなどに基づいて総合的に診断する。本稿では,NPSLEのコンサルテーションにおいて精神科医に求められる診断とマネージメントに焦点を当て,最近の知見を中心に概説した。
著者
鈴木 豪 志賀 剛 木原 貴代子 大熊 あとよ 西山 寿子 小林 清香 鈴木 伸一 西村 勝治 石郷岡 純 萩原 誠久
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.81, no.5, pp.381-381, 2011-10-25

第6回東京女子医科大学メンタルヘルス研究会 平成23年6月23日 東京女子医科大学総合外来センター5F 大会議室