著者
志賀 剛
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.354-358, 2010 (Released:2011-03-04)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

アミオダロン静注薬は,生物学的利用率(吸収率)が低い経口薬と異なり,確実な薬物投与を可能にした.しかし,静注薬による急性期治療から経口薬による維持療法へ移行する際に,双方の薬物動態の差異がアミオダロンの抗不整脈効果に影響を及ぼす可能性がある.経口薬によるアミオダロン治療を導入する場合,早期の効果を得るために400mg/日の初期負荷投与を14日間行うことが多い.この背景には,アミオダロンのみならず薬効の一部をなす活性代謝物であるデスエチルアミオダロンも重要な役割を担っている.2日間(48時間)の持続静注から経口薬維持量200mg/日に移行すると,アミオダロン血中濃度は大きく低下し,デスエチルアミオダロンも検出されなかった.一方,4日間(96時間)の持続静注を行うと3日目以降にデスエチルアミオダロンが検出され,その後経口薬維持量200mg/日に移行してもその濃度は維持される.抗不整脈効果が維持され,4日間(96時間)以上の持続静注を行った場合は,そのまま経口薬200mg/日による維持療法への移行が可能と思われる.しかし,静注期間が短い場合には,経口薬400mg/日による負荷投与を一定期間行ったうえで,維持療法へ移行することが必要と考える.
著者
志賀 剛
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.365-375, 2011 (Released:2012-02-10)
参考文献数
52

心臓突然死は心不全患者の死因の1/3を占め,そのほとんどが心室頻拍・心室細動(VT/VF)を原因とする.これら心室不整脈は有効な心室収縮を破綻することで循環血液の駆出を妨げ,心静止や無脈性電気活動に至る.心不全治療を行ううえで,心室不整脈に対する対策が必要である.VFおよび血行動態が破綻する持続性VTには,電気的除細動が最も有効である.電気的除細動抵抗性のVT/VFに対しては,リドカインに比し,アミオダロンあるいはニフェカラントの有用性が示されている.一方,予防薬としてはβ遮断薬が心不全患者の生命予後を改善するのみならず,心臓突然死をも予防することが示されている.心不全を対象とした大規模臨床試験から明らかになった心臓突然死を減少させるβ遮断薬は,メトプロロール,ビソプロロールおよびカルベジロールである.一方,アンジオテンシン変換酵素阻害薬やアンジオテンシン受容体拮抗薬の心臓突然死予防効果については,一定の見解がない.抗不整脈薬では,アミオダロンが数々の大規模臨床試験から突然死予防薬として位置付けされている.しかし,その効果には限界があり,ハイリスク例に対する心臓突然死予防としては植込み型除細動器(ICD)が有効とされる.ただし,ICDには不整脈予防効果がないため,アミオダロンにはICDへの付加治療としての役割もある.心室不整脈の抑制,VT周期の延長,上室不整脈の予防,房室伝導の抑制からICDショック作動の抑制,抗頻拍ペーシング成功率の改善,頻回作動の抑制ならびに不適切作動の回避が考えられる.近年,アミオダロンの心外性副作用の欠点を補う新しいIII群抗不整脈薬が開発され,その臨床応用が待たれている.
著者
志賀 剛
出版者
神道史学会
雑誌
神道史研究 (ISSN:05830702)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.p186-189, 1979-07
著者
志賀 剛 笠貫 宏
出版者
Japanese Heart Rhythm Society
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.77-83, 2002-03-25 (Released:2010-09-09)
参考文献数
13

アミオダロンは強力な抗不整脈作用を有しているが, その薬物動態は複雑である, 脂溶性が高く脂肪組織などに広く分布し, その除去半減期は14~107日と長いという特徴がある.このため, 早期の効果発現を期待して初期負荷を行うという考えがある.日本では400mg/日2週間の初期負荷と200mg/日の維持量が勧められている.初期負荷量として800~1200mg/日の高用量を用いると血中濃度が高く推移し, より早い効果発現が期待できる一方, 催不整脈作用等の発現が懸念される.一般的には400mg/日による初期負荷が安全で効果的と思われる.日本における適応は, 生命の危険がある心室頻拍・心室細動あるいは肥大型心筋症に伴う心房細動の再発性不整脈である.欧米に比し, 低用量であり, 低い血中濃度でありながら, その効果は劣っていない, 一方, 心外副作用として肺毒性や甲状腺障害が多く, 眼毒性, 皮膚毒性, 神経毒性は少ない特徴がある.常に有効性と安全性を考慮した投与設計が必要である.
著者
志賀 剛
出版者
一般社団法人 日本臨床薬理学会
雑誌
臨床薬理 (ISSN:03881601)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.490-494, 2013-11-30 (Released:2013-12-20)
参考文献数
8
著者
小西 寿子 志賀 剛 瀬下 明良 木村 利美
出版者
一般社団法人 日本臨床薬理学会
雑誌
臨床薬理 (ISSN:03881601)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.169-172, 2018-07-31 (Released:2018-08-22)
参考文献数
8
被引用文献数
1

症例は83 歳,男性.経皮的冠動脈形成術後に伴う心室期外収縮に対してフレカイニド 50 mg 1回 1錠 1日 2 回で服用していた.中部胆管癌を併発し,食事摂取量が減り,体重も減少した.他院でビタミン C 大量静注中に心肺停止を来し,心肺蘇生により心拍再開を得た.当院救急搬送後,心電図にてQT 間隔の延長 (0.76秒) を認め,フレカイニドを中止した (血中フレカイニド濃度は治療域であった) .さらに血清カリウム値が 2.0 mEq/L,血清アルブミン値が 2.7 g/dL と低値であったため,カリウム製剤による補正を行うとともにヒト血清アルブミン製剤 25 g/日の投与と中心静脈栄養を併用することで血清カリウム値も改善し QT 間隔が正常化した.本例では食事摂取不良による低栄養から低カリウム血症を来し,フレカイニドによる QT 延長作用が増強し心停止に至ったと考えられた.
著者
鈴木 豪 志賀 剛 木原 貴代子 大熊 あとよ 西山 寿子 小林 清香 鈴木 伸一 西村 勝治 石郷岡 純 萩原 誠久
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.81, no.5, pp.381-381, 2011-10-25

第6回東京女子医科大学メンタルヘルス研究会 平成23年6月23日 東京女子医科大学総合外来センター5F 大会議室
著者
志賀 剛
出版者
鹿児島国際大学
雑誌
鹿兒島経大論集 (ISSN:02880741)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.四二三-四四五, 1965-11-30
著者
志賀 剛
出版者
鹿児島国際大学
雑誌
鹿兒島経大論集 (ISSN:02880741)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.二三七-二六七, 1966-07-30