著者
岩村 真樹 金内 雅夫 梶本 浩之
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.265-271, 2015 (Released:2015-06-24)
参考文献数
28
被引用文献数
1 2

〔目的〕骨格筋量のデータの蓄積とサルコペニア診断におけるカットオフ値の作成,加齢に伴う骨格筋量変化の検討を行なう為に,MRI法を基準に推定式が算出されたBIA法を用いて骨格筋量の測定を行った.〔対象〕18歳から84歳までの日本人男女1347名(男性622名,女性725名)とした.〔方法〕上下肢と全身骨格筋量,さらに骨格筋量指数(以下SMI)を測定し,性別・年齢別に検討した.〔結果〕全ての部位において男性と比較して女性の骨格筋量減少率が低く算出された.骨格筋量のカットオフ値は男性4.0kg/m2,女性2.9kg/m2となった.〔結語〕加齢に伴う骨格筋量の減少は男女ともに認められたが,男性により大きく生じていた.また,BIA法においては測定機器により値が異なることが示唆された.
著者
金内 雅夫
出版者
畿央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

メタボリックシンドロームは糖尿病や心血管病など生活習慣病の根幹をなす重要な病態である。過度の肥満者では食事由来の燃焼CO2排出増加と1回換気量の増大が見込まれることから、メタボリックシンドロームが身近なところでCO2排出や地球温暖化と連関している可能性が窺われる。しかし、メタボリックシンドローム者のCO2排出とエネルギー代謝について論及した研究は少ない。本研究では、職域健診受診者を対象にメタボリックアナライザーを用いて酸素摂取量・基礎代謝量を測定し、推定CO2排出量を算出した。日常活動量を加算して年間CO2排泄量を推定すると、非メタボ群に対しメタボ群では有意に過剰であり、身近な温暖化対策としてのガソリン約12lの節減に相当することが判った。推定CO2排泄量を加味したエネルギー代謝の評価は、肥満対策を目指した保健指導に役立つと考えられる。
著者
川野 貴弘 西浦 公章 車谷 典男 土肥 祥子 米増 國雄 金内 雅夫 土肥 和紘
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.10, pp.659-663, 1997-10-30 (Released:2011-03-02)
参考文献数
11

糖尿病患者は非糖尿病患者に比して大腸癌に罹患しやすいかを検討する目的で横断研究を実施した. 対象は, 総合病院町立大淀病院で全大腸内視鏡検査が施行された患者391例 (男性235例, 女性156例, 平均年齢61歳) である. Mantel-Haenszel法で算出したオッズ比から糖尿病と大腸癌合併の関連性について検討した. 大腸癌の合併は, 糖尿病患者57例中17例 (有病率30%) に対し, 非糖尿病患者334例中48例 (有病率14%) であった. 大腸癌有病率についての非糖尿病群に対する糖尿病群のオッズ比は, 2.35 (95%信頼区間: 1.28~4.48) であった. 以上から, 糖尿病患者は, 非糖尿病患者に比して大腸癌に罹患しやすいことが示唆される.