著者
貞広 斎子
出版者
一般社団法人 日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.85, no.2, pp.162-174, 2018-06-30 (Released:2018-10-17)
参考文献数
32
被引用文献数
1

本稿では、「教育主体の多様化」に対する政府財政支出の公共性をどの様に確保していくべきかについて、主に財政制度と質保証の観点から、今後の制度設計の可能性を検討した。公財政制度の在り方は、質保証(認証・監査/評価)の制度と強く結びつき、連動しており、統制のための資源配分を行うのか、教員や学校の自由とアカウンタビリティーを調整した制度を想定するかによって、公教育のフィールドが構想され、公財政配分システムも再編されていくことを示した。
著者
尾崎 公子 佐藤 宏子 貞広 斎子 肥後 耕生 チェ ジョンリョル ミン ビョンソン
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、日韓比較を通して人口減少地域における地域共生型学校の成立要因を抽出した。両国とも、少子化、都市化、非都市部の過疎化が深刻となり、それに伴って学校の小規模化が進行して、学校統廃合が大きな政策課題になっている。しかし、小規模校の取り組みには相違点があり、韓国政府は学校自由化策を進めて地方や学校に権限を委譲するとともに、地域や階層間格差を是正するために「教育福祉」を政策原理に採用していた。また、政府のみならず、小規模校を存続させる民間運動が存在し、地域と学校の新たな価値創造に向けた事例も確認できた。以上から、地域共生型学校の成立要因として、制度、政策理念、民間運動の存在が示唆された。