- 著者
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関口 達也
貞広 幸雄
- 出版者
- 公益社団法人 日本地理学会
- 雑誌
- 地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
- 巻号頁・発行日
- vol.88, no.3, pp.269-282, 2015-05-01 (Released:2019-10-05)
- 参考文献数
- 22
本稿では,簡便かつ多面的に商業環境の評価を行う新たな手法の提案を行う.具体的には,1)総充足度,2)安定度,3)重要度,の三つの指標を用いて,地域における商業環境を複数の観点から評価する方法を提案する.仮想的な地域と実地域へ手法を適用し,各指標の性質を検討した結果,以下の知見が得られた.1)いずれの指標も,地域の店舗の立地・規模の差異を考慮した評価が可能である,2)総充足度は地区の店舗の充足性を評価し,店舗数の増加に対して指標値の増分には一定の逓減性がみられる,3)安定度は各地区の総充足度が少数の店舗に依存するか否かを判断する指標で,充足度と併用すると,地区の総充足度の特定の店舗への依存性を評価できる,4)重要度は各地区の総充足度の向上に大きく貢献する店舗が高く評価される指標で,充足度,安定度との併用により,地域の総充足度の向上に最も寄与している店舗の閉店が及ぼす影響を視覚化できる.