著者
佐伯 覚 蜂須 賀明子 伊藤 英明 加藤 徳明 越智 光宏 松嶋 康之
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
pp.10668, (Released:2019-08-08)
参考文献数
36
被引用文献数
1

要旨:若年脳卒中患者の社会参加,特に復職は重要なリハビリテーションの目標であり,ノーマライゼイションの理念を具現化するものである.国際生活機能分類の普及に伴い,社会参加の重要性が再認識されている.また,政府が主導している「働き方改革」に関連した「治療と就労の両立支援」施策の一つとして,脳卒中の就労支援が進められている.しかし,脳卒中患者の高齢化・重度化,非正規雇用労働などの労働態様の変化は脳卒中患者の復職に多大な影響を与えており,若年脳卒中患者の復職率は過去20 年間,40%に留まっている.脳卒中患者の復職は医療だけでなく福祉分野とも関連し,職業リハビリテーションとの連携,さらには,復職予定先の企業等との調整など様々なレベルでの対応が必要であり,医療福祉連携を超える高次の連携が必要となる.
著者
越智 光宏 大橋 浩 蜂須賀 研二 佐伯 覚
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
Journal of UOEH (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.215-221, 2017-09-01 (Released:2017-09-14)
参考文献数
12
被引用文献数
3 5

脳卒中のリハビリテーションにおいて,心身機能・身体構造・活動・参加の状態に基づき総合的な健康状態を把握することは重要である.Stroke Impact Scale (SIS)は脳卒中に特異的な,新しい総合的な健康状態の評価法であり,Duncanらの開発により現在version 3.0が発表され,リハビリテーションのquality of life (QOL)を中心とした評価などに広く用いられている.SIS version 3.0は9つの大項目の質問 (筋力,手の機能,日常生活動作/手段的日常生活動作,移動,コミュニケーション,感情,記憶と思考,参加,回復)からなる.回復以外の8項目には小項目の質問があり,過去1から4週間に患者自身が経験した,各質問項目を完了する難しさを1-5点の5段階尺度で評価し,回復は1から100までのビジュアルアナログスケールで,原則,患者自身が評価し回答する.各項目の値 (素点)をマニュアルに沿い,100点満点の大項目スコアに換算する.SIS version 3.0の日本語版を作成し,その信頼性と妥当性を慢性期脳卒中片麻痺患者32例を対象として検討した結果,十分な内的整合性 (Cronbachʼs α < 0.70) と再検査信頼性 (intraclass correlation coefficient 0.86-0.96)を認めた.SIS version 3.0の身体スコアは片麻痺の評価法であるBrunnstrom stage (0.49 < r < 0.53) と,健康関連QOLの評価であるshort form 8 (r = 0.82) との間に有意な相関 (Spearmanの順位相関係数,P < 0.05) を認め,十分な収束的妥当性を認めた.SIS version 3.0の臨床的有用性は高く,リハビリテーションの治療効果判定などで活用されることが期待される.
著者
佐伯 覚 蜂須賀 明子 伊藤 英明 加藤 徳明 越智 光宏 松嶋 康之
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.411-416, 2019 (Released:2019-09-25)
参考文献数
36
被引用文献数
3 1

要旨:若年脳卒中患者の社会参加,特に復職は重要なリハビリテーションの目標であり,ノーマライゼイションの理念を具現化するものである.国際生活機能分類の普及に伴い,社会参加の重要性が再認識されている.また,政府が主導している「働き方改革」に関連した「治療と就労の両立支援」施策の一つとして,脳卒中の就労支援が進められている.しかし,脳卒中患者の高齢化・重度化,非正規雇用労働などの労働態様の変化は脳卒中患者の復職に多大な影響を与えており,若年脳卒中患者の復職率は過去20 年間,40%に留まっている.脳卒中患者の復職は医療だけでなく福祉分野とも関連し,職業リハビリテーションとの連携,さらには,復職予定先の企業等との調整など様々なレベルでの対応が必要であり,医療福祉連携を超える高次の連携が必要となる.
著者
佐伯 覚 蜂須賀 明子 伊藤 英明 加藤 徳明 越智 光宏 松嶋 康之
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.411-416, 2019
被引用文献数
1

<p><b>要旨</b>:若年脳卒中患者の社会参加,特に復職は重要なリハビリテーションの目標であり,ノーマライゼイションの理念を具現化するものである.国際生活機能分類の普及に伴い,社会参加の重要性が再認識されている.また,政府が主導している「働き方改革」に関連した「治療と就労の両立支援」施策の一つとして,脳卒中の就労支援が進められている.しかし,脳卒中患者の高齢化・重度化,非正規雇用労働などの労働態様の変化は脳卒中患者の復職に多大な影響を与えており,若年脳卒中患者の復職率は過去20 年間,40%に留まっている.脳卒中患者の復職は医療だけでなく福祉分野とも関連し,職業リハビリテーションとの連携,さらには,復職予定先の企業等との調整など様々なレベルでの対応が必要であり,医療福祉連携を超える高次の連携が必要となる.</p>