著者
辰巳 隆一 水野谷 航 ANDERSON JUDY E. ALLEN Ronald E.
出版者
九州大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

骨格筋の肥大・再生は、筋幹細胞(衛星細胞)の活性化に大きく依存している。これまでに代表者は、「運動や筋損傷などの物理刺激を引き金として、細胞外マトリックスから遊離する肝細胞増殖因子(HGF)依存的に衛星細胞が活性化する分子機構」をほぼ解明した。これを更に発展させるため本研究では、活性化の抑制機構を調べた。その結果、過剰なNOラジカルの産生によって遊離HGFがニトロ化されることを見出した。筋の肥大や治癒を妨げている「活性化抑制機構(HGFの不活化)」を更に追究することにより、筋肥大・再生を促進する食肉生産システムの開発に資する他、筋再生医科学・加齢筋医科学・スポーツ科学などに貢献が期待された。
著者
辰巳 隆一 古瀬 充宏 水野谷 航 RONALD E Allen JUDY E Anderson
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

骨格筋の肥大・再生の際、運動神経ネットワーク(神経末端の筋細胞への接着および神経軸索の空間配置)の再構築が重要な基盤となる。これまでに、筋幹細胞が神経軸索成長ガイダンス因子 Sema3A を合成・分泌することを見出し、「筋細胞側から運動神経網を能動的に制御する」という斬新なアイデアを提起した。本研究では、細胞増殖因子による時系列的なSema3A発現制御機構の分子基盤を解明した。成果は筋肥大・再生を促進する食肉生産技術の開発に資する他、医療・スポーツ分野などにも貢献が期待される