著者
近藤 尚子 田中 直人 中村 弥生 関口 光子
出版者
文化学園大学・文化学園大学短期大学部
雑誌
文化学園大学・文化学園大学短期大学部紀要 (ISSN:24325848)
巻号頁・発行日
no.52, pp.111-115, 2021-03-31

本資料紹介では、本学所蔵のピエール・カルダン関連資料群について扱う。文化ファッション研究機構では、学内機関で所蔵されているが、リソースとして整理・公開されていない服飾関連資料の調査・デジタルアーカイブ化を進めてきた。そのなかで、2023年に創立100周年を迎える本学には、国内外のデザイナーに関して、実物服飾資料やその研究成果のみならず、交流記録も残されていることが判明した。文化服装学院の名誉教授であるピエール・カルダン氏は、1958〜2010年の間に計10回も来校しファッションショーも開催した、本学と特に関係の深いデザイナーの 1 人である。そのため、所蔵している資料は実物服飾資料、紙資料、画像、映像と多種多様であり、現時点で確認された資料数は1,055件にも上る。またこれら資料の多様性は、これまで資料所蔵機関として認知されていた教育部門、附属機関に加え、事務部門とも連携し調査を行えた結果でもある。このような部門を超えた連携は、研究の多様化や分野を超えた共同研究が進むなかで重要な意義を持つものであると考え、ファッション分野におけるオーソドックスな研究対象である実物服飾資料のみならず、その他の資料情報も併せて紹介する。

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著者
近藤 尚子
雑誌
文化女子大学紀要. 人文・社会科学研究
巻号頁・発行日
vol.13, pp.15-24, 2005-01-31

節用集饅頭屋本には「フタメク」という項目があり,初刊本では「フタメク(音偏に羽)」、通行本では「劇」という漢字が掲出されている。初刊本から通行本へ意図的に見出し字の改変が行われたとみることができる。「フタメク」は「ふたふた」という擬音語に由来する語と考えられ、いろいろな資料に見出すことができる。その用例をたどっていくと、本来の音を表す意味から、「あわてふためく」意味に変化していく様子をとらえることができる。表記面では『今昔物語集』のような漢字で書くことを志向する資料においてさえも仮名で書かれている。また、「フタメク」は辞書体資料には見出しにくいが、見出し語として示される漢字には固定的なものがなく、さまざまな漢字表記がみられる。饅頭屋本初刊本の「フタメク(音偏に羽)」は、本来の音に由来する表記、通行本の「劇」は変化した後の「あわてふためく」を意味する表記であり、この改変は「フタメク」の語の性格と意味の変化とを反映したものであるとみることができる。
著者
近藤 尚子
出版者
文化学園大学
雑誌
文化女子大学紀要. 人文・社会科学研究 (ISSN:09197796)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.33-46, 2003-01

明治期は社会や文化が大きく動き,新しい言葉が次々に生み出された。本稿では明治18年に出版された『伊呂波字引 和英節用』という小さな和英辞典をとりあげる。一方, 明治を代表する和英(英和)砕典として『和英語林集成』がある。この辞書は明治5年に再版が, 明治19年に三版が出版されている。この『和英語林集成』と比較することによって『伊呂波字引 和英節用』の性格の一端を明らかにし, この時代の日本語の状況の中に位置づけることをめざす。比較の結果,本書には『和英語林集成』にあまり収載されていない外国の国名・地名が多く載せられ,数を含む項目も網羅的で,「~学」については新旧の名称が混在するという状況が明らかになった。本書は全体としては『和英語林集成』の三版側に位置づけることができる。
著者
金井 光代 中村 弥生 田中 直人 近藤 尚子
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.56-59, 2018-03-09 (Released:2018-05-18)
参考文献数
2

本事業では、服飾分野における機関横断型デジタルアーカイブの構築に向けて、服飾資料収蔵機関への訪問調査を行うとともに、服飾資料収蔵機関・有識者・先進的取り組みを行っている機関との連携構築に向けてのネットワークづくり、情報収集に努めてきた。その結果、データベースを一般公開している機関は約半数にとどまることが明らかになった。各機関とも、公開に意欲はあるものの、構築・継続的公開のための人員、予算、ノウハウがなく、実際に公開するには至っていない。また、公開の目的、想定利用者が各館で異なることが分かった。横断検索システム構築には、共通の目的、利用者を設定することが重要であるため、その先導役、取りまとめ役を担う拠点の存在が必要不可欠であることも明らかになった。本報告では、機関横断型デジタルアーカイブ実現に向けて取り組んできたこれまでの活動を報告すると共に、今後の展望についても言及する。
著者
近藤 尚子
雑誌
早稲田大学日本語研究教育センター紀要 (ISSN:0915440X)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.26-41, 1989-03-25

本稿は川端康成の「きっと」192例を対象, に意味・用法を分析する.まず国語辞典類の記述を整理し(1), その分類にそって検討をすすめ(2)分類にあわない「きっと」の例を報告(3)したうえで, 康成の「きっとを整理した。その結果は次のようである。擬態語の「きっと」4例,2「かならず」の「きっと」24例(1)事柄の実現(9)(2)意志(8)(3)勧誘(7) 3 推量のきっと164例(1)推量を強める(70)(2)確信(81)(3)やわらげる(13)本稿は, 現代語における副詞語彙の意味・用法を記述し, さらにその変化・発展のあとをたどろうという試みのひとつである。