著者
近藤 瑞木
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.19-28, 2006

近世の儒家思想は「怪異」の存在を否定していたわけではなく、むしろそれを論理化し、コントロールしようとしていた。儒家の思想に於いては、「徳」が「妖」に優越し、論理性をはみ出そうとする余剰な力は制御され、怪異が封建秩序を揺るがすことはなくなる。そのような思想を通俗的に普及していたのが「妖は徳に勝たず」の諺や、儒者の妖怪退治譚であった。本稿はこのような、儒家思想が近世怪談を抑圧する構造を検証するものである。
著者
近藤 瑞木
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.19-28, 2006-04-10 (Released:2017-08-01)

近世の儒家思想は「怪異」の存在を否定していたわけではなく、むしろそれを論理化し、コントロールしようとしていた。儒家の思想に於いては、「徳」が「妖」に優越し、論理性をはみ出そうとする余剰な力は制御され、怪異が封建秩序を揺るがすことはなくなる。そのような思想を通俗的に普及していたのが「妖は徳に勝たず」の諺や、儒者の妖怪退治譚であった。本稿はこのような、儒家思想が近世怪談を抑圧する構造を検証するものである。
著者
小山 聡子 大江 篤 近藤 瑞木 斎藤 英喜 水口 幹記 竹下 悦子 山田 雄司 北條 勝貴 赤澤 春彦 佐々木 聡
出版者
二松學舍大學
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-10-21

本研究では、前近代日本の病気治療と呪術の変遷について、各自の専門とする時代を中心に史料調査などを行なった。1年に2回から3回の研究会を開き、各自の調査および研究成果を報告し、議論してきた。本研究では、日本についても、東アジア全体で考えていくべきであるとする認識を持ち、海外の研究者とも連絡を密にしてきました。2018年8月には、中国の浙江工商大学を会場に、国際シンポジウム「東アジアの歴史における病気治療と呪術」を主催した。本研究の成果は、前近代日本の病気治療と呪術に関して、各自の専門分野から論じた論集を2019年度末までに出版する予定となっており、現在、準備中である。