- 著者
-
遠藤 謙
- 出版者
- バイオメカニズム学会
- 雑誌
- バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
- 巻号頁・発行日
- vol.43, no.2, pp.107-110, 2019 (Released:2020-05-01)
- 参考文献数
- 17
下肢切断や生まれつき下肢欠損の状態で生まれた患者にとって,最も健常な2足歩行に近い運動が可能となる機器は義 足である.本稿では,義足は最も基本的な運動である歩行運動を中心に設計されることが多いため,歩行運動中の足部と膝関 節のトルクと仕事率から足部や膝継手がどのような機能を要するかを解説する.また,最近ではコンピュータ制御でダンパー をコントロールできるものや,モータ・バッテリ・センサ等を用いた能動的な動きが可能な義足技術も数多く研究開発されて おり,これらの動向や可能性を紹介する.さらに,ロボット技術を用いた義足の開発を加速させるためにサイバスロンなどの 競技会やプロジェクトが進められており,今後義足技術がどのように我々の社会に影響を与えていくかを考察する.