著者
金 誠
出版者
札幌大学
雑誌
札幌大学総合論叢 (ISSN:1342324X)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.85-97, 2009-10
著者
高嶋 航 藤田 大誠 中嶋 哲也 金 誠 束原 文郎 浜田 幸絵 菅野 敦志 佐々木 浩雄 新 雅史
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2018-04-01

本研究は、20世紀前半の帝国日本におけるスポーツの全体像を実証的に解明することを最終目的とし、本年度は上記の課題を遂行する上でミッシングリンクとなっている満洲のスポーツについて、関連資料を調査収集しつつ、研究テーマを探ることを主たる活動目標とした。資料収集においてとりわけ重点を置いたのは、1907年から1943年まで刊行された『満洲日日新聞/満洲日報』である。満洲スポーツの全体像を窺うには、まずこの資料を十分に踏まえておかねばならない。しかしながら、『満洲日日新聞』は大連(のち奉天)に拠点を置いているため、満洲国の首都である新京や、いわゆる「北満」と呼ばれた地域に関する情報は決して多くない。そのため、新京で刊行されていた『新京日日新聞』(1933~1940年)の収集も並行して進め、収集した記事を年表の形に整理している。研究会は五月、八月、一二月と三回開催し、満洲や帝国日本のスポーツに関わる研究発表を行った。資料から明らかになった満洲スポーツのいくつかの側面について、日本や朝鮮の事例と比較しながら、考察を進め智識を共有した。海外調査は三月に大連、丹東、瀋陽で実施し、戦前のスポーツ関連施設の現状を調査した。繰越分については、中国での再調査に使用する予定であったが、中国での図書館利用が見込めなくなったため、IOCオリンピックセンター(スイス)での調査に変更した。この調査では、日本と満洲国のオリンピックおよび極東大会参加に関する資料を収集した。
著者
金 誠
出版者
札幌大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は植民地朝鮮における朝鮮人知識人層ならびにスポーツ選手らのスポーツ活動が総力戦体制期の対日協力行為に如何に結びついていったかについて明らかにするものであった。本研究ではとりわけ植民地朝鮮において英雄となったマラソン選手の孫基禎に着目し、民族の英雄となった孫基禎の対日協力行為を当該期の朝鮮人知識人の近代的志向性と複雑に絡まり合うなかで生起してきた行為であったと結論づけ、植民地下の朝鮮半島におけるスポーツと対日協力の問題について考察を行った。
著者
金 誠培 梅澤 喜夫 田尾 博明
出版者
The Japan Society for Analytical Chemistry
雑誌
分析化学 = Japan analyst (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.435-446, 2009-06-05

最近の遺伝子工学の発展に伴い,遺伝子操作された蛍光発光タンパク質を標識として様々な融合タンパク質プローブが設計・合成され,リガンド活性計測等に応用されてきた.今日,生体・生細胞に適用できる分子イメージング技術は,生理活性を持つ小さい分子の同定から,タンパク質-タンパク質間結合,タンパク質の構造変化までの幅広い計測ニーズに対応できるものとして応用されている.本総合論文では,著者らが最近数年間成し遂げてきた生物発光イメージング研究を紹介する.例えば,転写因子の核内移行や細胞質内非ゲノム的なタンパク質-タンパク質間相互作用を,独自のタンパク質スプライシング法を用いて計測した.また,一つの分子内に,リガンドセンシングタンパク質と発光タンパク質を集積した形態の一分子型生物発光イメージングプローブを開発した.その後,このプローブをマルチカラー化して,複数の信号伝達過程を同時にイメージングできるように発展させた.更に,生物発光プローブそのもののリガンド感受性を高める手法として,円順列置換や小さい発光酵素を用いた分子設計技術を紹介する.本総合論文を通じて,多くの分析化学者の方にこの分野の面白さをぜひ分かって頂きたい.