- 著者
-
金子 祐子
- 出版者
- 一般社団法人 日本内科学会
- 雑誌
- 日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
- 巻号頁・発行日
- vol.104, no.10, pp.2149-2156, 2015-10-10 (Released:2016-10-10)
- 参考文献数
- 8
Sjögren症候群(Sjögren syndrome:SS)は唾液腺炎,涙腺炎を主体とする臓器非特異的全身性自己免疫疾患である.原発性である一次性と他の膠原病に合併する二次性に分類されるが,本邦での有病率は約0.05%と推定され,圧倒的に女性に多い.腺症状のみならず,間質性肺炎,間質性腎炎,末梢神経障害などの腺外症状の出現や,原発性胆汁性肝硬変との合併など,多彩な臓器障害を合併し得る.長らく対症療法のみで対応する疾患という認識が強かったが,近年新しい分類基準,ESSDAI(EULAR Sjögren's Syndrome Disease Activity Index)といった疾患活動性評価基準が作成され,さらに免疫抑制薬や生物学的製剤などの新しい治療薬による病態にアプローチした治療が試みられている.今後の発展が期待される疾患である.