著者
金田 弘挙
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.109, no.6, pp.417-425, 2014 (Released:2018-03-14)
参考文献数
37
被引用文献数
3 3

ビールの香味は,従来,官能評価により行っており,その美味しさを表現する言葉として,「こく」「きれ」「のどごし」などあるが,これらを定量的に分析値として示すことは困難であった。筆者らは,「味覚センサー」や「脳波」「筋肉の動き」などを測定することで,ビールの美味しさとの相関を発見し,さらにはお客様の気分との関係を明らかにしてきた。これらビールの美味しさを解明する一連の取組みについて解説いただいた。
著者
金田 弘挙
出版者
公益財団法人 日本醸造協会・日本醸造学会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.106, no.1, pp.9-18, 2011 (Released:2016-06-13)
参考文献数
13
被引用文献数
1

品質が向上し,いわゆる欠陥のある商品というのは少なくなった。そこで注目されているのは,人の感覚によって呼び起こされ,それによって支配される感情,欲望などといった感性の世界である,感性は,こころ(感情・記憶)でもあり,からだ(反射・運動)でもある。感性刺激に対し言葉によってかたられる官能評価はもちろん大切ではあるが,ヒトの脳や体の部位にどのような応答が現れるのか近年様々な研究が行われている。筆者は,ビールの「のど越し」という,それまで官能的に表現されていたものの混沌としていた感覚に果敢に取り組み,客観的にこれを計測する技術を開発された。ビールにとどまらずその研究の価値は広がっており,新たな分野を開拓している。