著者
渡部 喬之 鈴木 久義
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.713-720, 2021-12-15 (Released:2021-12-15)
参考文献数
49
被引用文献数
1

脳損傷による眼球運動障害に苦しむ患者は多いが,そのリハビリテーションの方法は確立されていない.本稿では,眼球運動の神経機構,脳画像所見と予後予測,一般的な評価や治療を概説したのち,国内外の脳損傷者に対する眼球運動障害改善のためのリハビリテーションの報告を俯瞰し,臨床での活用をテーマに再考した.過去の研究では,追視,固視,サッケード,輻輳を促通する訓練が眼球運動を改善させると報告されており,訓練時間や頻度も通常診療のなかで実施可能な範囲であった.眼球運動障害は,生活に大きな影響を与えるものである.作業療法士が,積極的な眼球運動障害への評価,介入とその効果検証を行っていく必要があると考える.
著者
水野 高昌 鈴木 久義 奥原 孝幸 上原 栄一郎 山口 芳文
出版者
日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.273-283, 2011-06-15

要旨:作業療法士が行っている感情労働に焦点をあて,作業療法士の業務において求められている感情労働の構成概念を明確にすることを目的に研究を行った.医療施設および福祉施設に従事する100名を選択し調査対象とした.調査方法は郵送によるアンケート調査で無記名の自記式とし,回収されたデータはBerelson Bの内容分析によって分析した.分析の結果,対象者への感情労働は9カテゴリーが抽出された.対象者への感情労働として抽出されたカテゴリーは,先行研究に類似したものと「プログラムの工夫」など作業療法士独自のものも見られ,本研究によって作業療法士が感情労働を行っていることが示唆された.
著者
渡部 喬之 鈴木 久義 小貫 祐介 長島 潤 迫 力太郎 川手 信行
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
pp.17027, (Released:2018-09-28)
参考文献数
21

目的:脳卒中患者におけるやむを得ない転倒判定チェックシート(以下,判定シート)の,信頼性と予測的妥当性を検討した.方法:検者5名で脳卒中転倒者20例に対し判定シートを評価,また2名は同様の対象に再評価を行い,検者間でのFleissのκ係数,検者内でのCohenのκ係数を算出した.予測的妥当性の検討は,対象の脳卒中転倒者123名の中から判定シートを用いてやむを得ない転倒者を抽出し,その他の転倒者との間で,再転倒割合,運動FIMを比較した.結果:判定結果のFleissのκ係数は0.838,Cohenのκ係数は1.000であり,高い検者間・検者内信頼性を認めた.やむを得ない転倒者の再転倒割合は,その他の転倒者に比べ有意に低かった.運動FIMは有意に高く,やむを得ない転倒者は一定以上の能力回復を認める傾向にあった.考察:判定シートの信頼性と予測的妥当性が高いことが示された.判定シートで転倒の質を評価することは,転倒後の患者指導などに使用できると考える.
著者
奥原 孝幸:筆頭著者 鈴木 久義:その他 作田 浩行:その他 増山 英理子:その他 水野 高昌
出版者
昭和大学保健医療学部
雑誌
昭和大学保健医療学雑誌 (ISSN:1349029X)
巻号頁・発行日
no.10, pp.35-44, 2012-08 (Released:2014-10-10)

作業療法に参加している入院統合失調症患者188名を対象に、「作業療法に対するイメージ」の調査を6ヵ月間隔で2回行い、2回とも回答した71名の中から特徴的なイメージをもっている23名を抽出し、そのイメージの要因を探るために個別インタビューを行った。結果、作業療法に対してポジティブなイメージをもっている患者では、病状が安定しており、穏やかで普段からポジティブイメージを想像させる言動が多かった。一方ネガティブなイメージをもっている患者では、病状や気分の不安定さ、不機嫌さ、思考の偏りや狭さなどがみられた。ネガティブイメージの背景にはイライラ感や表情・思考の硬さなどがあり、さらに、その患者特有の心理的要素が影響しているものと考えられた。