著者
太田 富雄 和賀 志郎 半田 肇 斉藤 勇 馬杉 則彦 竹内 一夫 鈴木 二郎 高久 晃
出版者
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
雑誌
脳卒中の外科研究会講演集 (ISSN:03878031)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.61-68, 1975-06-06 (Released:2012-10-29)
参考文献数
15
被引用文献数
1

Disturbance of consciousness in acute stage, so far, has been classified by using a set of technical terms such as coma, stupor, somnolence, confusion and so on. However, the definition of such terms has a different nuance from one clinic to another, and this made the comparison of the data on the same topics incomplete and incorrect. Because of this, it is true in most neurosurgical clinics in Japan that the severity of the disturbance of consciousness has long been described with grades of the responsiveness to different stimuli laden to the patients.In order to obtain an universal classification on this matter, possibility ef quantitative and qualitative gradings has been searched by means of combining the following three factors; arousal, responsiveness to mechanical and verbal stimuli, and the contents of consciousness. Table shows our proposal of quantitative and partially qualitative grading of the disturbance of consciousness in acute stage. Deep coma, coma and semicoma in the contemporary usage belong to grade III in our classification; stupor, lethargy, hypersomnia, somnolence, and drowsiness belong to grade II, and delirium, confusion, and senselessness belong to grade I.Features of this new grading of the disturbance of consciousness in acute stage have been discussed.Table: New grading of level of consciousness in acute stage (So-ocalled 3-3-9 formula) Grade III. The patient is unable to be arousen with any forceful mechanical stimulus, and(300) 3. is not responsive at all except for change of respiratory rhythm,(200) 2. is responsive with slight movements including decerebrate response, or(100) 1. is responsive with combative oropurposeful movements. Grade II. The patient is able to be arousen with mechanical or verbal stimuli, and(30) 3. is barely arousen with repeated mechanical stimuli,(20) 2. is arousen with loud voice or shaking shoulders, or(10) 1. is arousen easily with usual voice. Grade I. The patient is awake without any stimulus, and(3) 3. is quite senseless and cannot tell even his own name or date of birth,(2) 2. is disorientated to time, place, and person, or(1) 1. is seemingly alert but not fully so. “R” and“Inc” are added to the grading in case of restlessness and incontinence.
著者
松岡 佳子 鈴木 二郎
出版者
公益社団法人 日本実験動物学会
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.83-86, 1987
被引用文献数
1

スナネズミは, いろいろな分野で実験に用いられ, 大変有用な実験動物であるが, その繁殖, 発育に関する報告は少ない。筆者らは, 10年来, てんかん発作形質を選抜目標として, 近交系作出を試みている。その過程で得られた, 繁殖, 発育に関する成績は以下のとおりであった。1.平均寿命は, 雄26±14カ月, 雌27±13カ月であった。2.体重は, 16週齢でほぼ一定に達し, 雄で72±5.69, 雌で62±7.39であった。3.産仔数については, ばらつきがあるが, 平均4.8±1.7であった。4.分娩数は3~10月が多く, これらの時期が繁殖時期と考えられた。5.離乳率は, 約80%であった。6.世代別産仔数には大きな変動は見られなかった。<BR>本研究にあたり, 終始御協力下さった, 本研究所動物室, 岡崎守博, 赤坂佳幸の両氏ならびにタイプを打って下さった岩瀬真子さんに深謝する。
著者
小暮 哲夫 小川 彰 関 博文 吉本 高志 鈴木 二郎
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.7, no.5, pp.394-401, 1985-10-25 (Released:2009-09-03)
参考文献数
20
被引用文献数
1

内頚動脈閉塞症急性期の臨床像とその予後を明らかにする目的で発症後24時間以内に収容された本症104例に対してCT・脳血管撮影を施行し, 2ヵ月間にわたり意識障害や運動障害の推移を中心に臨床経過の観察を行った.死亡例が5割, 社会復帰不能例が4割を占め, 社会復帰可能例が1割のみと, 本症の予後は不良であり, 過半数を占める塞栓症においてより顕著であった.入院時の意識状態や運動機能は予後とよく相関し, 多少とも意識障害を認めたり, 重力に抗する運動の不可能な例で社会復帰したものはまれであった.CT上のLDAの大きさも予後とよく相関し, 予後良好例は非出現例にほぼ限られ, 複数の脳主幹動脈に及ぶ出現例のほとんどが死亡していた.約半数を占める死亡例は高齢者に多く, その8割が第4病日をピークとする発症後早期の脳梗塞直接死亡例であり, 他の2割は合併症による間接死亡例に相当し, その死亡時期に一定の傾向は認められなかった.
著者
原賀 裕 室町 幸一郎 武藤 徳子 鈴木 二郎 下島 かおり 藤巻 龍治 宇都宮 舞衣 木庭 大槻 許 多 石井 信之
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.280-286, 2020 (Released:2020-08-31)
参考文献数
26

目的 : 本研究は, 唾液性状とアレルギー性鼻炎との相関関係を明らかにすることによって, マウスガード (MG) 装着によるアレルギー性鼻炎に対する治療法を確立させることを目的とした. 実験にはスギ花粉症 (Seasonal allergic rhinitis : 以後, SAR) 患者に対して, MG装着前後の唾液性状を健常者と比較解析した. 方法 : スギ花粉飛散季節に神奈川歯科大学に来院したSAR患者24名, 健常者7名を被験者とした. 被験者はMG装着前後におけるアレルギー性鼻炎症状 (3TNSS), 唾液分泌量を測定し, 唾液性状を多項目唾液検査で解析した. 唾液性状は, う蝕原生菌, pH値, 酸緩衝能, 潜血濃度, 白血球数相対値, タンパク質濃度, アンモニア産生量の7項目を測定した. 結果 : MGを装着したSAR患者において3TNSSスコアは有意に減少し (p<0.05), 症状改善が認められた. SAR患者の安静時唾液分泌量は健常者と比較して低値を示していたが, MG装着後のSAR患者唾液分泌量は有意に増加した. SAR患者の多項目唾液検査は健常者と比較して, う蝕原生菌, 酸緩衝能, アンモニア産生量で有意に高値を示したが, pH, 潜血, 白血球数, タンパク質濃度で有意に低値を示した (p<0.05). SAR患者はMG装着後に潜血が減少したが, ほかの検査項目は変化しなかった. 結論 : SAR患者はMG装着によってアレルギー症状の改善が認められた. 症状改善には唾液分泌量が関与し, 唾液性状の影響はほとんど認められなかった.
著者
石井 信之 木庭 大槻 許 多 佐藤 イテヒョン 清水 千晶 田中 俊 林田 優太郎 菅原 美咲 水野 潤造 武藤 徳子 鈴木 二郎 室町 幸一郎 下島 かおり 藤巻 龍治 宇都宮 舞衣 山田 寛子
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.38-43, 2020

<p> 目的 : 現在では, 歯科用実体顕微鏡や拡大鏡を使用した拡大視野下の長時間にわたる精密歯科診療が求められ, 歯科医師や歯科衛生士の正確な手技への支援や肉体的負担を軽減できる歯科診療支援システムの開発が必要とされている. 本研究は歯科診療アシストスーツを開発することで, 歯科診療の精密性向上, 診療成功率の向上, および歯科医師や歯科衛生士の肉体的負担軽減を目的とする.</p><p> 材料と方法 : 歯科診療アシストスーツの上腕負担軽減効果を解析するために, 表面筋電図による解析と定量評価機能を有した臨床シミュレーション装置を使用した臼歯部窩洞形成を実施した.</p><p> 結果 : 歯科診療アシストスーツを作動することで, 上腕二頭筋および上腕三頭筋の平均振幅値はいずれも有意に減少し, 上腕の負担軽減効果が認められた. 臼歯部窩洞形成の客観的総合評価は, 歯科診療アシストスーツ作動前と比較して作動後に有意な高得点を示した.</p><p> 結論 : 本研究で開発した歯科診療アシストスーツは, 上腕二頭筋と上腕三頭筋の緊張を軽減することによって, 診療精度の向上と長時間診療における術者の負担軽減を可能にする装置であることが示された.</p>