著者
鈴木 伸明
出版者
一般社団法人 日本血栓止血学会
雑誌
日本血栓止血学会誌 (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.273-280, 2018 (Released:2018-06-15)
参考文献数
21
被引用文献数
4 1

要約:von Willebrand Factor (VWF)インヒビターによるAcquired von Willebrand Syndrome(AvWS)は1968 年にSLE に合併した患者が初めて報告された.その後,ちょうど50年が経過するが,基礎疾患が非常に幅広く存在する一方で,臨床的にVWF インヒビターの存在が疑われるものの,リストセチンコファクター活性(RCo)ベースのベセスダ法やELISA などの手法でインヒビターが検出されない症例が多く存在し,診断基準も十分に整備されておらず,病態理解も十分に進んでいない.そのため,診断においては鼻出血や紫斑などの後天的な出血症状を呈する症例に対して,VWF 関連検査を行いながら,基礎疾患や家族歴を考慮し,総合的に臨床診断されているというのが実情である.治療法に関しては必ずしも基礎疾患の治療が,AvWS の改善につながるとは限らず,軽症例に対してはトラネキサム酸(トランサミン®)を使用しつつ,一定以上の出血イベントにはVWF 含有血液凝固第VIII 因子製剤(コンファクト®)やデスモプレシン酢酸塩水和物(デスモプレシン注®)を短縮した半減期に注意しながら使用する必要があり,デリケートかつ継続的な止血管理が必要となる.
著者
手島 一陽 貝瀬 満 高井 一成 石浜 智 鈴木 伸明 中尾 國明 松本 正廣 岩田 滉一郎 太田 裕彦 金井 弘一 飯原 久仁子
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
雑誌
消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:03899403)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.202-203, 1998-03-06 (Released:2015-01-22)
参考文献数
4

A 31-year-old man was referred to our hospital because of fever, oral and genital ulcers, mild abdominal pain and diarrhea which occured 6 months before admission. Colonoscopic examination disclosed diffuse, discrete round ulcers of the colon, and the intact terminal ileum. The administration of salazosulfapyridine followed by aminosalicylic acid improved pyrexia and colonic lesions. Relapsing oral, genital and colonic ulcers suggested the diagnosis of incomplete-type intestinal Behçet's disease. However, microscopic examination demonstrated non-caseous epithelioid cell granulomas, which are characteristic of Crohn's disease. Therefore, the present case was considered an indeterminate one of inflammatory bowel disease and a long-term follow-up might disclose a definite diagnosis.
著者
上田 城久朗 能丸 真司 永田 夏織 梶井 信洋 大村 良介 原田 俊則 鈴木 伸明 鈴木 道成 森岡 秀之
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化器病學會雜誌 = The Japanese journal of gastro-enterology (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.97, no.1, pp.33-37, 2000-01-05
被引用文献数
17 13

症例は73歳女性.朝食2時間後より突然,上腹部痛出現.腹部CT検査と小腸造影検査より空腸憩室を合併した小腸軸捻転症と診断した.入院約1カ月後,手術を施行したが,小腸全体が反時計回りに720°捻転しており,空腸憩室はTreitz靱帯から約25cmの部位の腸間膜よりに存在した,原発性小腸軸捻転症は,本邦ではまれな疾患で術前診断されることは少ないが,本症例では典型的なCT像より術前診断が可能であった.
著者
尾台 昌治 高橋 敏治 鈴木 伸明 加藤 聖哲 松本 英俊 高田 良三
出版者
日本家畜管理学会
雑誌
家畜の管理 (ISSN:03888207)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.68-73, 1984-02-27

ロ一夕リーミルキソグパーラーの合理的な使用法を確立する目的で試験を行なっているが, 今回はターンテーブルの回転速度を1.4,1.9,2.5m/分(1回転に要する時間はそれぞれ16分22秒, 13分55秒, 9分48秒), と極端におそくした場合に, 搾乳所要侍間・作業者の移動距離などがどのように変化するかを調査し, 次の結果を得た。1)搾乳所要時間は, ターンテーブルの回転速度が速くなるにしたがって短かくなり, 1.4m/分に比較して, 朝搾乳時は1.9m/分で13%, 2.5m/分では23%, 夕搾乳時では1.9m/分で15%, 2.5m/分では32%短縮した。回転速度は, 1.9m/分で21%, 2.5m/分で42%速くなったが, 搾乳所要時間の短縮とは一致しなかった。2)回転速度が速くなるにしたがって, 作業待ち, タールテーブル洗浄などの時間は減少したが, 他の直接搾乳に関係する作業時間は回転速度が変っても大きな影響は受けなかった。3)回転速度が速くなるにしたがって, 作業者の移動距離は長くなり, 1.4m/分に比べ夕搾乳では1.9m/分で20%, 2.5mでは27%, 朝搾乳時はそれぞれ24%, 36%増加した。4)乳の流出速度の遅い牛がいると, ターンテーブルの回転速度が速くなるにしたがって, ターンテーブルを停止する回数・時間が多くなるとともに, ミルカー離脱位置がパーラー全体に拡まり, 作業者の移動距離が長くなった。