著者
鈴木 慶子 三浦 和尚
出版者
長崎大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

急速かつ確実に「手書き離れ=PC依存」が進行している。手書き離れによる影響は「漢字が書けない」という現象を引き起こしていることに止まらない。学生は「読み」の力をも低下させている。同一問題を黙読して解答した群と視写して解答した群では総合点で視写群が高得点となった。視写することは、正確な「読み」に導く契機となる。 一方で、学生は、PC依存を自覚している。構想を練る時、全体と細部との関係を整合する時、及び立ち止まって自分の考えを吟味する時、PCでは不都合であると。同時に、下書き及び書き直しという概念が消失しつつある。両者の繰り返しによって鍛えられてきた、正確に「書く力」が危機的状況にある。
著者
鈴木 慶子 千々岩 弘一 田中 智生 小野瀬 雅人 吉村 宰 平瀬 正賢
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

学習活動を推進する「書字力」とは、単純な「視写」や「聴写」ではなく、手書きによる「メモ力」であると再定義した。つまり、見たり聞いたりしたことや頭に浮かんだことを手書きでメモすることのできる力である。そのメモに基づいて、文章を産出しながら、自分自身の考えを整理したり深めたりする。この行為は、ICTが今以上に浸透しても、人間にとって必須の能力である。「メモ力」を育成するプログラムは、次の3点に留意して開発する必要がある。①書き写しミスに自分自身で気がつくことができるのは、小3以降である。②小1の多読書群では、無自覚なミスが少ない。③小1~小4では、「見て書く」力と「聞いて書く」力との関連がある。