- 著者
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中畑 雅行
鈴木 洋一郎
- 出版者
- 一般社団法人 日本物理学会
- 雑誌
- 日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
- 巻号頁・発行日
- vol.57, no.3, pp.171-179, 2002-03-05 (Released:2011-02-09)
- 参考文献数
- 19
- 被引用文献数
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「観測された太陽ニュートリノ強度が標準太陽モデルからの予想値に比べて有意に小さい」という「太陽ニュートリノ問題」は, 30年以上もの間, 議論されてきた. 最近, スーパーカミオカンデとカナダのSNO (サドバリーニュートリノ観測) 実験との観測により, この太陽ニュートリノ問題の解は, 「ニュートリノ振動」という現象が原因であることがはっきりした. また, 電子ニュートリノを質量の固有状態に分解すると質量の異なる状態が大きく混合しているらしいことも分かってきた, この解説では, 最新の太陽ニュートリノ実験の結果を踏まえて, ニュートリノの素粒子的性質, 今後の太陽ニュートリノ研究の進展にっいて述べる.