著者
荒船 次郎 梶田 隆章
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.67, no.12, pp.860-865, 2012-12-05

日本の宇宙線研究を語る際宇宙線研究所の果たしてきた役割を忘れるわけにはいかない.本稿では,宇宙線研究所の前身である宇宙線観測所の時代から現在まで宇宙線研究所の関わってきた宇宙線研究を概観し,宇宙線研究所が日本の宇宙線研究に果たした役割を振り返ってみたい.
著者
梶田 隆章
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.63, no.9, 2008-09-05
著者
梶田 隆章 内山 隆 大橋 正健 川村 静児 黒田 和明 三代木 伸二 安東 正樹 宗宮 健太郎 森脇 喜紀 麻生 洋一 都丸 隆行 フラミニオ ラファエレ 鈴木 敏一
出版者
東京大学
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
2014

本研究では重力波の観測と重力波天文学の創成を目指し、別予算で整備がすすめられた大型低温重力波望遠鏡KAGRAの研究基盤をベースに、熱雑音を最小化する低温懸架システムの開発、極低温鏡急速冷却方法の開発、グリーンレーザーを用いた干渉計の迅速かつ安定な動作状態獲得、新たな信号読み出し法を可能にし、干渉光に含まれる余計なノイズを削減する出力モードクリーナーの開発などを行った。また、レーザー強度雑音の低減、さらに最終的には自動で観測モードまで進む高度なデジタル制御システムの開発を行った。これらの開発された技術を全てKAGRAに組込み、重力波観測運転を2020年2月に開始した。
著者
梶田 隆章
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.326-331, 2003-05-05
被引用文献数
4

Cosmic ray particles entering the atmosphere interact with the air nuclei and produce neutrinos. These neutrinos are called atmospheric neutrinos. The atmospheric neutrino anomaly observed in Kamiokande is now understood as due to neutrino oscillations by high statistics measurements of the atmospheric neutrinos in Super-Kamiokande. The studies of the atmospheric neutrinos have matured into detailed studies of neutrino masses and mixings.
著者
梶田 隆章
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.326-331, 2003

Cosmic ray particles entering the atmosphere interact with the air nuclei and produce neutrinos. These neutrinos are called atmospheric neutrinos. The atmospheric neutrino anomaly observed in Kamiokande is now understood as due to neutrino oscillations by high statistics measurements of the atmospheric neutrinos in Super-Kamiokande. The studies of the atmospheric neutrinos have matured into detailed studies of neutrino masses and mixings.
著者
梶田 隆章
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.53, no.10, pp.783-784, 1998-10-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

スーパーカミオカンデ共同実験グループは, 本来6月岐阜県高山市で開催された第18回ニュートリノ物理学と天体物理学国際会議("ニュートリノ98")において「ニュートリノ振動の証拠」を発表した. 本稿ではこの発表の要点を報告する. なお, 紙面の関係上物理的背景等について触れないので, そちらは参考文献を参照していただきたい.
著者
梶田 隆章
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.53, no.10, pp.783-784, 1998

スーパーカミオカンデ共同実験グループは, 本来6月岐阜県高山市で開催された第18回ニュートリノ物理学と天体物理学国際会議("ニュートリノ98")において「ニュートリノ振動の証拠」を発表した. 本稿ではこの発表の要点を報告する. なお, 紙面の関係上物理的背景等について触れないので, そちらは参考文献を参照していただきたい.
著者
竹内 康雄 田阪 茂樹 梶田 隆章
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

本研究では、まず脱気された純水中からの極微量ラドン分離方法に関して研究を進めた。脱気水中のラドンを安定して効率よく分離するために、中空糸膜モジュールを採用した。市販されている中空糸膜モジュールを本研究用に特注で加工をし、アクリル製の円筒容器に収めてラドン検出器下部に連結した。他の水中ラドン分離手段として、異なる中空糸モジュールのマウント方法や、空気用ポンプを用いる方法も試みたが、いずれも効果的ではなかった。次に、本研究で試作された700L脱気水用ラドン検出器を用いて各種特性試験を行った。700L脱気水用ラドン検出器の水中ラドンに対する校正定数は、14.6±2.1(count/day)/(mBq/m^3)が得られた。これまでスーパーカミオカンデで使用されていた70Lラドン検出器の脱気水に対する校正定数は0.3(count/day)/(mBq/m^3)程度であったので、約40倍程度感度が向上したことになる。また、バックグラウンドレベルを考慮すると、700L脱気水用ラドン検出器の水中ラドンに対する検出限界は0.7mBq/m^3に相当する。これらの成果は論文にまとめてNIM A誌に投稿し、受理された。(2002年10月現在)一連の成果を論文にまとめた後、700L脱気水用ラドン検出器の性能をさらに向上させるため、ウラン238の含有量を約1/50に削減した新しい低バックグラウンドのPINフォトダイオードを試作した。また、検出容器内の電場を最適化することにより、空気中ラドンに対する検出効率を約2倍向上させた。今後は、電場の最適化をした容器と新低バックグラウンドフォトダイオードを用いたラドン検出器を構築し、特性および検出限界について研究を進めていく予定である。
著者
鈴木 洋一郎 佐藤 勝彦 荒船 次郎 中畑 雅行 梶田 隆章 戸塚 洋二
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

ニュートリノ物理学・宇宙物理学国際会議のための企画調査を行った。本国際会議はニュートリノ物理学全般に渡るが、主に、(1)太陽ニュートリノ、大気ニュートリノを含む宇宙ニュートリノ、(2)加速器を用いたニュートリノ物理学、(3)理論、(4)その他、について、動向を調査した。国内での企画調査会を3回、外国での情報収集を2回行った。現在、この分野での最大の話題は、ニュートリノの質量の問題である。(1)、(2)、(3)ともに質量問題が中心テーマとなろう。(1)では、特に太陽ニュートリノ、大気ニュートリノの観測データーがニュートリノ振動の証拠であるかが、緊急最重要テーマである。太陽ニュートリノでは、今までに行われた5つの実験すべてから振動の可能性が得られている。特にスーパーカミオカンデは、過去の実験の50倍のスピードでデーターを取得している。これは本国際会議での重要なテーマとなる。いくつかの新しいアイデアも提案されている。たとえば、Ybを使ったエネルギーの低い太陽ニュートリノのスペクトラムの測定である。大気ニュートリノは初期の実験との食い違いが問題であったが、これも高統計のスパーカミオカンデで新たな展開が期待される。(2)では、宇宙暗黒物質の候補としてのニュートリノ質量探しが、本国際会議をめどに新しい結果を出すであろう。また、大気ニュートリノの振動を加速器からのニュートリノを用いて確認するための所諠長基線ニュートリノ振動実験が重要なポイントとなる。
著者
南方 久和 安田 修 梶田 隆章 梶田 隆章
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

スーパー神岡実験によって質量とフレーバー混合が存在することが発見されたニュートリノという素粒子が未知の非標準的相互作用(NSI)をもつ可能性について研究した。NSIが存在する系におけるニュートリノ振動の全般的性質を明らかにし、全く新しいタイプの多重解の存在を見いだした。ニュートリノファクトリーを用いるNSI探索における積年の問題である1-3角とNSIとの混同の問題の解決方法を提示し、NSIの最も感度の高い探索方法を明らかにした。さらに、ミュー・タウニュートリノチャンネルにおける非標準的相互作用の探索には数年前に提唱した神岡・韓国2検出器系が有利であることを指摘し、この感度評価を行った。