著者
小川 時洋 鈴木 直人
出版者
日本感情心理学会
雑誌
感情心理学研究 (ISSN:18828817)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.70-77, 1998-03-31 (Released:2009-04-07)
参考文献数
22
被引用文献数
2 1 1

本研究は,Murphy&Zajonc(1993)の報告する閾下感情的プライミング現象と,その生起に関わる要因を検討することを目的として行った。実験1では先行研究に準じた,プライムの閾下提示群,閾上提示群を形成して実験を行った。その結果,閾上提示群では,ターゲットの評価がプライムの誘意性に左右される強いプライミング効果が見られたが,閾下提示条件では見られなかった。実験2は,実験1の結果を踏まえ,プライムの存在に対する被験者のアウェアネスの役割を検討し,プライムが見えていることが効果の生起に決定的な役割を果たすことを示唆する結果が得られた。実験3および実験4は,閾下刺激の効果に焦点をあて,ターゲット刺激の特性,試行間間隔,プライム刺激提示時の視角,同一ターゲソトの反復提示などの要因を統制した。しかしながら,実験3,および実験4のどちらにおいても閾下プライミング効果は見出されず,先行研究の一般性に疑義を呈する結果となった。
著者
鈴木直人 廣井富 藤原祐磨 黒田尚孝 戸塚典子 千葉祐弥 伊藤彰則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.9, pp.1-6, 2013-12-12

英会話練習をする際は対話相手が必要であり,相手との会話がテンポ良く行えるようになる練習が求められる.CALL (Computer-Assited Language Learning) システムにおいて,学習者の応答のタイミングを向上させるような枠組みは無いのが現状である.英会話練習の際には発話内容を想起し,それを英語で表現する 2 重の認知的負荷がかかるため,交代潜時が長くなりがちであるが,対話の最初から意識的に交代潜時を短くしていくためには学習者に対して明示的な方法を用いるべきである.そこで本研究では対話相手として AR (Augmented Reality) キャラクタを設定し,タイムプレッシャー表現をかけたときに応答タイミングの練習として有効であるかどうかを実験により検証することを試みた.実験参加者にはタイムプレッシャーの有無で 2 通りの対話を行い,最後に主観評価のアンケートを行った.本稿では以上の結果と主観評価を踏まえた考察を報告する.
著者
前野 正夫 鈴木 直人 田中 秀樹 田邊 奈津子 田邊 奈津子 田中 秀樹
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

ニコチンとLPSが,歯肉上皮を浸透して骨芽細胞および破骨細胞前駆細胞に作用することを想定し,本研究を企図した。ニコチンとLPSは,骨芽細胞に対して破骨細胞形成を促進する種々の因子の発現を増加させるとともに,骨芽細胞による類骨層のタンパク代謝を分解系に傾けた。破骨細胞前駆細胞に対しては,骨基質タンパク分解酵素の発現増加を介して骨吸収能を上昇させた。これらの結果,歯槽骨吸収が促進されて歯周病が増悪する可能性が示唆された。
著者
及川 栄二 鈴木 直人 大越 哲也 海谷 幸利 福岡 雅人 前野 正夫 大塚 吉兵衛
出版者
硬組織再生生物学会
雑誌
日本硬組織研究技術学会雑誌 (ISSN:13405179)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.85-92, 1994-10-29
被引用文献数
12

An attempt was made to compare cell growth and three different phosphatase activities between human alveolar bone-derived (HAB) cells from young (13-22 years old) patients and those from older (55-73 years old) patients. HAB cells growing out of individual bone fragments were harvested separately, and subcultured up to the 3rd passage. The growth and phosphatase activities of HAB cells from each individual were detemined on days 8, 24 and 40 of culture after seeding. The enzymes determined were alkaline phosphatase (ALPase), acid phosphatase (ACPase) and tartrateresistant acid phosphatase (TRACPase). Morphologically, the HAB cells used in this study were spindle-shaped in spite of aging. The individual data obtained were averaged within each age group, and the means (SD) of the two groups were compared. Cell growth showed a logarithmic pattern from day 3 in both age groups. The HAB cells from the young age groupreached confluence on day 11 of culture, whereas those from the older age group did so on day 21. The replication capacity of HAB cells from the young group was greater than that of cells from the older group. ALPase activity in both groups increased from day 8 to reach a maximum on day 24 of culture, followed by a decrease on day 40. On day 24, HAB cells from the young group showed in approximately 2.2-fold higher ALPase activity than those from the older group. On the other hand, no significant differences were observed in ACPase and TRACPase activities between the two groups between days 8 and 40.