著者
小川 由希子 安藤 大輔 須藤 祐司 小池 淳一
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会誌 (ISSN:00214876)
巻号頁・発行日
vol.80, no.3, pp.171-175, 2016 (Released:2016-02-25)
参考文献数
25
被引用文献数
4 9

Mg-20.5 at% Sc alloy with hcp (α)+bcc (β) two-phase alloy was investigated to understand the effects of aging treatment at 200℃ on microstructure, hardness and tensile properties. The Mg-Sc alloy ingot was prepared by induction melting in Ar atmosphere, and then hot rolled at 600℃ followed by cold rolling into a sheet. The rolled specimens were annealed at 600℃ to obtain α+β two-phase microstructure. Then, the annealed specimens were aged at 200℃ for various time. Vickers hardness of the α+β two-phase alloy drastically increased after a certain incubation time and then reached maximum hardness of 142.8 Hv. The incubation time of the Mg-20.5 at% Sc alloy with the α+β two-phase was longer than that of the same alloy with a β single-phase. Ultimate tensile strength (UTS) and elongation of the as-annealed specimen were 280 MPa and 28.2%, respectively. Meanwhile, the specimen aged at 200℃ for 14.4 ks showed a UTS of 357 MPa and an elongation of over 12%. The specimen aged for 18 ks showed a higher UTS of 465 MPa while keeping a better elongation of 6.9%. It was found that the age hardening of the Mg-Sc alloys were attributed to the precipitation of very fine α phase in β phase.
著者
草野 浩幸 丸山 寿晴 野澤 幸成 高山 英一 浜田 寛昭 須藤 祐司 丸山 高史 里村 厚司 川本 進也
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.281-286, 2015 (Released:2015-05-28)
参考文献数
9

血液透析患者258名における遊離カルニチン濃度と各種検査値との関連を調査した. 健常者125名の遊離カルニチン濃度と検査値の関連を調査し, 健常者と血液透析患者の検査値を比較検討した. 血液透析患者190名を4群に分け, カルニチン静注, 栄養指導による効果を各種検査値で比較する前向き研究を実施した. 透析患者の年齢と遊離カルニチン濃度は負の相関を示していた. 遊離カルニチン濃度とプレアルブミン, 筋肉量/身長2は正の相関を示した. 透析患者と異なり, 健常者では遊離カルニチン濃度は年齢と正の相関を示した. カルニチン静注により, 血液透析患者で遊離カルニチン濃度の著明な上昇を認めた. 栄養指導のみでも遊離カルニチン濃度は有意に上昇した. そのほかエリスロポエチン抵抗性指数, 下肢つれなども調査したが, カルニチン補充療法の効果には限界があると考えられ, その使用には症例を選ぶ必要があると考えられた.
著者
石田 清仁 大沼 郁雄 貝沼 亮介 及川 勝成 山内 清 須藤 祐司 貝沼 亮介 及川 勝成 山内 清 須藤 祐司
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2007

Co基合金の状態図について実験ならびにCalphad法による熱力学解析を行い、Co基熱力学・状態図データベースを世界に先駆けて構築した。このデータベースを基に新しいL1_2化合物γ' 相Co_3(Al, W)を利用したCo基スーパーアロイの合金設計を行い、800℃で10万時間のクリープ推定強度が100MPa以上を期待できる鍛造用合金を開発し、また鋳造合金の応用としてFSW(摩擦撹拌接合)用ツールに適用し、商品化に成功した。また磁性材料としてCo基磁気材料としてCo-W基合金薄膜とCo基ホイスラー合金が磁気記録材およびスピントロニクスとして有望である事を示した。さらに生体材料としてCo-Al基合金のγ (fcc)/β (B2)層状組織を利用したポーラス化を行ない、そのための最適組成、熱処理条件を明らかにした。
著者
須藤 祐司
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究では、全年度の知見を基に、Cu-Al-Mn系超弾性合金の高強度化およびその応用を目指し、本合金の低温時効硬化現象を詳細に調査し以下の知見を得た。[1.超弾性特性] Cu-Al-Mn-Ni合金において、集合組織および粒径ならびにベイナイト変態を適切に制御することにより、1000MPaの超弾性プラトー応力かつ4%程度の超弾性歪みを示す高強度超弾性合金のが得られる事が分かった。時効処理によりベイナイト変態した超弾性合金のマルテンサイト変態誘起応力の温度依存性dσ/dTは、焼入れまま材のそれよりも小さく、その値はクラジウス-クラペイロンの関係より予測される値と一致する。本合金のdσ/dTはTi-Niのそれに比べ、約1/3程度であり、温度が変化する環境にておいてもほぼ一定の超弾性回復応力が得られる。[2.疲労特性] 時効処理により高強度化したCu-Al-Mn系超弾性合金の疲労特性を引張サイクル試験により評価した所、従来合金に比し、疲労強度が極めて高く優れた疲労特性を示すことが分かった。これは、ベイナイト変態による析出硬化により母相が強化され転位が動きにくくなったためと考えられる。集合組織、粒径、析出硬化を適切に制御することによりTi-Niに匹敵する疲労特性を示す。[3.応用] 上記の知見を基に、加工熱処理による組織制御を駆使し、剛性傾斜型のガイドワイヤー(GW)の試作を試みた。本剛性傾斜型GWは、従来Ti-Ni超弾性GWに比し、優れた突き出し性、トルク伝達性を示し、操作性に優れる。また、高強度・高超弾性歪みを有する合金を用いた制震部材の開発を検討し特許出願を行った。