著者
金子 雅志 入江 道生 四七 秀貴 飯尾 政美
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.448, pp.321-324, 2010-02-25
参考文献数
3
被引用文献数
1

データ通信と音声通信を統合したIPネットワークである次世代ネットワーク(NGN:Next Generation Network)では、多様なサービスの登場が期待されている。NGNのサービスを実装するアプリケーションサーバの開発において、開発効率の向上を目的としてJavaを採用する動向がある。一方で、高信頼・高品質な通信サービスの提供が求められる通信事業者向けサーバにおいては、ガベージコレクションに伴う停止時間が招くリアルタイム性への影響が懸念される。近年、ガベージコレクションの停止時間を改良したリアルタイムGC等の技術によってリアルタイム処理性能についての改善が見られるが、フルGCの発生確率を完全に無くすことはできないため、十分な解決策とはなっていない。本稿では、ガベージコレクションによるリアルタイム処理性能への影響を低減させる方式について、ロードバランサと連携する方式と、ネイティブコードを利用する方式を提案する。そして、後者の方式の有効性を示すため、応答時間の改善効果と処理に必要なオーバーヘッドを試作によって実機評価した結果を示す。
著者
入江 道生 西村 豪生 金子 雅志 別所 寿一 飯尾 政美
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.448, pp.407-410, 2011-02-24

コンシステント・ハッシュ法を適用したスケールアウト型のセッション制御サーバにおいて,複数のクラスタメンバを同時に追加する際,追加前にセッションデータを収容していたクラスタメンバの特定に時間やコストがかかるといった問題が生じる.セッション制御サーバにおいては,このようなメンバ追加時のコスト増や遅延増は,セッションの切断や不成立に繋がりサービス品質を損ねる.本研究では,セッションデータの収容位置の高速・低コストな特定のためのアドレス表の管理方式として,2つの方式を提案し,それぞれの特徴について比較・考察を行う.
著者
岩佐 絵里子 入江 道生 金子 雅志 福元 健 飯尾 政美 上田 清志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.408, pp.65-70, 2012-01-19

N-Active型を採用したスケールアウト型セッション制御サーバでは,クラスタを構成するメンバ数を増減することで,多様なトラヒック処理にも柔軟に対応することが可能である.増設されたクラスタメンバでは,既存セッションに関するメッセージ処理を実施する際に,セッションデータを格納しているクラスタメンバを特定し,セッションデータを取得した後に処理を継続する.このように,増設メンバでは通常のメッセージ処理に加えて既存セッションデータを取得する処理が加わり負荷が高くなるため,既存セッションの切断や新規セッションの不成立に繋がりサービス品質を担保することができない恐れがある.本稿では,クラスタメンバの増設に伴う増設メンバへの負荷軽減方式を提案し,実機検証により提案方式の負荷軽減効果を検証する.
著者
西村 豪生 森谷 高明 大西 浩行 飯尾 政美
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J95-B, no.4, pp.510-522, 2012-04-01

対外インタフェースがオープン化されているNGNにおいては,インターネットとテレコム網のサービスを連携させたWeb-テレコム連携サービスが利用可能である.従来のWeb-テレコム連携サービスは,Web端末によるアクション契機で,Web端末とは独立したテレコム端末に対してテレコムサービスが提供される形態が一般的であった.既存のインターネットユーザに対する親和性を考慮した場合,テレコムサービスもWeb-テレコム連携サービスの開始契機を与えたWeb端末にシームレスに提供可能とすることが望ましい.本論文ではテレコム端末機能と連携するリッチインターネットアプリケーションをWeb端末上で実行することにより,単一Web端末によりWeb-テレコム連携サービスを利用可能とするアーキテクチャを提案する.提案アーキテクチャは,テレコム端末機能を共通コンポーネント化し,テレコム網の詳細が隠ぺいされた抽象APIによって利用可能とする.共通コンポーネントをサービス利用時に端末に動的配備する方式と,外部装置に静的配備する方式について,プロトタイプ実装による性能評価を通じてその実現性を確認した.