著者
森谷 高明 川口 宏治 引地 透
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.205, pp.19-22, 2013-09-05

LTEローミングにおいて,IPX(IP eXchange)は効率的に多数の通信事業者を接続するハブとして機能し,海外ローミング対地数の拡大に寄与することが期待されている.LTEローミングでは,事業者(キャリア)間で位置登録信号等を授受するプロトコルとしてDiameterが用いられる.しかしGSMAなどの標準仕様では,IPXを用いてDiameterを事業者間で中継するための接続構成が必ずしも明確に規定されていない.そこで本稿では,事業者間で信頼性の高いDiameter中継を実現するための,実用的な事業者間接続構成について考察する.
著者
西村 豪生 森谷 高明 大西 浩行 飯尾 政美
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J95-B, no.4, pp.510-522, 2012-04-01

対外インタフェースがオープン化されているNGNにおいては,インターネットとテレコム網のサービスを連携させたWeb-テレコム連携サービスが利用可能である.従来のWeb-テレコム連携サービスは,Web端末によるアクション契機で,Web端末とは独立したテレコム端末に対してテレコムサービスが提供される形態が一般的であった.既存のインターネットユーザに対する親和性を考慮した場合,テレコムサービスもWeb-テレコム連携サービスの開始契機を与えたWeb端末にシームレスに提供可能とすることが望ましい.本論文ではテレコム端末機能と連携するリッチインターネットアプリケーションをWeb端末上で実行することにより,単一Web端末によりWeb-テレコム連携サービスを利用可能とするアーキテクチャを提案する.提案アーキテクチャは,テレコム端末機能を共通コンポーネント化し,テレコム網の詳細が隠ぺいされた抽象APIによって利用可能とする.共通コンポーネントをサービス利用時に端末に動的配備する方式と,外部装置に静的配備する方式について,プロトタイプ実装による性能評価を通じてその実現性を確認した.
著者
中野 雄介 近藤 悟 森谷 高明 大西 浩行 赤埴 淳一 寺西 裕一 西尾 章治郎
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.5, pp.780-790, 2011-05-01

ネットワーク上の複数PCの計算リソースを用いるグリッドコンピューティングに関する研究が行われてきた.特に,Webブラウザを介して計算リソースを利用することで,より多くのPCの計算リソースを利用できる有効な手法がある.しかし,PCの負荷を考慮せずにリソースを利用するため,ユーザのWeb閲覧を妨げる可能性がある.加えて,計算対象がXMLのような複雑な構造をもち,問題分割の時間を考慮する必要がある場合,効率的に計算できないと考えられる.本論文ではこのような課題を解決する,Web閲覧者のPCの余剰リソースの効率的利用の手法を提案する.本手法はWebブラウザの負荷に応じて計算速度を動的に変化させることで,ブラウザユーザのWebページ閲覧に対する影響を考慮した計算を行う.これにより,Webアプリケーションを提供するために必要なリソースを,Webアプリケーションユーザ自身から収集することが可能となる.また,計算対象問題の分割に掛かる時間を考慮した効率的な問題の分配を実現する.