著者
山登庸次 中野 雄介 宮城 安敏 中村 義和 大西 浩行
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.1019-1030, 2010-03-15

ユーザカスタマイズサービスを容易に開発するため,BPELの拡張を用いたサービス合成機能を提案し,その有効性を示す.近年,Web2.0やSOAのキーワードが普及し,コンポーネントを組み合わせてサービスを実現することが増えている.このような連携サービスには,ユーザに応じてコンポーネントを変更するカスタマイズが必要と考えるが,BPELはユーザに応じたカスタマイズはできず,既存技術であるサービス合成技術は独自言語であるため普及が困難である.そこで,本研究では,ユーザカスタマイズサービスを容易に開発するため,標準技術であるBPELの拡張による手法を提案する.本論文は,①BPELを一部拡張し,ユーザに応じたカスタマイズ可能な拡張BPEL仕様を検討し, ②拡張BPELを処理する拡張BPEL実行エンジンを,市中BPELエンジンを改変して実装し, ③拡張BPELがBPELエディタを用いて容易に作成でき,拡張BPEL実行が性能上問題ないことを確認し,提案方式の有効性を示す.We propose the Service Composition Function based on BPEL extension for user customize services, and show the effectiveness of the proposal. Today, Web 2.0 and SOA become famous keywords, and many composition services are developed. We think user customizations are needed for these composition services. BPEL is a standard of Web Service orchestration, but BPEL cannot customize composition services for each user. The service composition technology which is our previous work needs original description, so developers cannot develope the description easily. Therefore in this paper, we propose the BPEL extension for developing user customize services easily. We study the BPEL extension, and implement a new BPEL engine which processes a BPEL extension. We evaluated descriptiveness of BPEL extension using common BPEL editors, and also measured the performance of executing BPEL extensions. The evaluation results show our method effectiveness.
著者
西村 豪生 森谷 高明 大西 浩行 飯尾 政美
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J95-B, no.4, pp.510-522, 2012-04-01

対外インタフェースがオープン化されているNGNにおいては,インターネットとテレコム網のサービスを連携させたWeb-テレコム連携サービスが利用可能である.従来のWeb-テレコム連携サービスは,Web端末によるアクション契機で,Web端末とは独立したテレコム端末に対してテレコムサービスが提供される形態が一般的であった.既存のインターネットユーザに対する親和性を考慮した場合,テレコムサービスもWeb-テレコム連携サービスの開始契機を与えたWeb端末にシームレスに提供可能とすることが望ましい.本論文ではテレコム端末機能と連携するリッチインターネットアプリケーションをWeb端末上で実行することにより,単一Web端末によりWeb-テレコム連携サービスを利用可能とするアーキテクチャを提案する.提案アーキテクチャは,テレコム端末機能を共通コンポーネント化し,テレコム網の詳細が隠ぺいされた抽象APIによって利用可能とする.共通コンポーネントをサービス利用時に端末に動的配備する方式と,外部装置に静的配備する方式について,プロトタイプ実装による性能評価を通じてその実現性を確認した.
著者
中野 雄介 近藤 悟 森谷 高明 大西 浩行 赤埴 淳一 寺西 裕一 西尾 章治郎
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.5, pp.780-790, 2011-05-01

ネットワーク上の複数PCの計算リソースを用いるグリッドコンピューティングに関する研究が行われてきた.特に,Webブラウザを介して計算リソースを利用することで,より多くのPCの計算リソースを利用できる有効な手法がある.しかし,PCの負荷を考慮せずにリソースを利用するため,ユーザのWeb閲覧を妨げる可能性がある.加えて,計算対象がXMLのような複雑な構造をもち,問題分割の時間を考慮する必要がある場合,効率的に計算できないと考えられる.本論文ではこのような課題を解決する,Web閲覧者のPCの余剰リソースの効率的利用の手法を提案する.本手法はWebブラウザの負荷に応じて計算速度を動的に変化させることで,ブラウザユーザのWebページ閲覧に対する影響を考慮した計算を行う.これにより,Webアプリケーションを提供するために必要なリソースを,Webアプリケーションユーザ自身から収集することが可能となる.また,計算対象問題の分割に掛かる時間を考慮した効率的な問題の分配を実現する.