著者
飯野 秋成 飯野 なみ
出版者
一般社団法人 芸術工学会
雑誌
芸術工学会誌 (ISSN:13423061)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.42-49, 2017 (Released:2019-02-01)

本稿では、「第1期~第2期ウルトラシリーズ」の6_曲の主題歌について、1つの番組の主題歌に含まれるメロディのモチーフが、後続番組の主題歌のメロディに継承されている状況を、メロディ譜から考察した。さらに、メロディに含まれる音符の音価について、平均情報量による分析を行い、モチーフの継承による平均情報量の変化の特徴を示した。 まず、「第1期ウルトラシリーズ」の主題歌である「ウルトラマンの歌」と「ウルトラセブンの歌」のそれぞれについて、作曲者の作風と、当時の各楽曲制作に求められた方向性を文献からリサーチした。「ウルトラセブン」は「ウルトラマン」の後継番組でありながら、主題歌の制作においてモチーフを継承する意図は確認されなかった。さらに、メロディ譜の分析により、「ウルトラマンの歌」と「ウルトラセブンの歌」のメロディには、明確に共通といえるモチーフは見られなかった。 また、「第2期ウルトラシリーズ」の主題歌である「帰ってきたウルトラマン」、「ウルトラマンA」、「ウルトラマンタロウ」、および「ウルトラマンレオ」には、「ウルトラマンの歌」および「ウルトラセブンの歌」のモチーフが、それぞれ変形されながら継承されていることを確認した。 さらに、「第1期~第2期ウルトラシリーズ」の6_曲の主題歌について、メロディの音価と音高の平均情報量を求め、2次元空間に配置すると、楽曲間のモチーフが大きく変形することなく継承されている場合に近接することを示した。モチーフが大きく異なる「ウルトラマンの歌」と「ウルトラセブンの歌」の2_曲が早期に生み出されたことにより、その後のシリーズにおけるモチーフ継承によって統一感を保持しながらも、多彩な楽曲群が生み出されることにつながっていることが示された。
著者
飯野 秋成 飯野 なみ
出版者
一般社団法人 芸術工学会
雑誌
芸術工学会誌 (ISSN:13423061)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.42-49, 2017

本稿では、「第1期~第2期ウルトラシリーズ」の6_曲の主題歌について、1つの番組の主題歌に含まれるメロディのモチーフが、後続番組の主題歌のメロディに継承されている状況を、メロディ譜から考察した。さらに、メロディに含まれる音符の音価について、平均情報量による分析を行い、モチーフの継承による平均情報量の変化の特徴を示した。 まず、「第1期ウルトラシリーズ」の主題歌である「ウルトラマンの歌」と「ウルトラセブンの歌」のそれぞれについて、作曲者の作風と、当時の各楽曲制作に求められた方向性を文献からリサーチした。「ウルトラセブン」は「ウルトラマン」の後継番組でありながら、主題歌の制作においてモチーフを継承する意図は確認されなかった。さらに、メロディ譜の分析により、「ウルトラマンの歌」と「ウルトラセブンの歌」のメロディには、明確に共通といえるモチーフは見られなかった。 また、「第2期ウルトラシリーズ」の主題歌である「帰ってきたウルトラマン」、「ウルトラマンA」、「ウルトラマンタロウ」、および「ウルトラマンレオ」には、「ウルトラマンの歌」および「ウルトラセブンの歌」のモチーフが、それぞれ変形されながら継承されていることを確認した。 さらに、「第1期~第2期ウルトラシリーズ」の6_曲の主題歌について、メロディの音価と音高の平均情報量を求め、2次元空間に配置すると、楽曲間のモチーフが大きく変形することなく継承されている場合に近接することを示した。モチーフが大きく異なる「ウルトラマンの歌」と「ウルトラセブンの歌」の2_曲が早期に生み出されたことにより、その後のシリーズにおけるモチーフ継承によって統一感を保持しながらも、多彩な楽曲群が生み出されることにつながっていることが示された。
著者
蔵田 武志 一刈 良介 飯野 なみ 小林 吉之 江渡 浩一郎 西村 拓一
出版者
サービス学会
雑誌
サービソロジー論文誌 (ISSN:24355763)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.1-12, 2022 (Released:2022-02-01)
参考文献数
28

Due to the corona disaster, many collaborative activities including academic events have been held online. The purpose of this study is to contribute to serviceology by summarizing the findings on online academic events and the online interaction platforms (OIPs) as their service encounters. In this paper, we first outline how each OIP, such as Zoom, oVice, and Slack, was chosen in three online academic events, which we actually operated, in terms of the interaction manner of each session. After reporting on the OIP log analysis and questionnaires, we discuss the comparison between on-site venues and the OIPs as well as the usage barriers and social acceptance of the OIPs. The findings include (1) the functions that OIPs should provide especially in peripheral states of interaction process, such as "seeping out" of the lively atmosphere, "looking around and listening in" in poster sessions, and "spontaneous interaction among participants," have more than minor impacts on the evaluation of OIPs, (2) the degree of acceptance of OIPs depends on the balance of various factors such as usage barriers, maturity, familiarity, accessibility, and risks, in addition to the various values provided for synchronous and asynchronous interactions, etc.
著者
飯野 なみ 浜中 雅俊 西村 拓一 武田 英明
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2019-MUS-124, no.13, pp.1-6, 2019-08-20

楽器演奏において上級者のノウハウを抽出し体系化することは,効率的な弾き方や効果的な表現の実現に繋がる.我々はこれまで,多くの演奏技法が求められるクラシックギターに着目し,知識工学的アプローチによってギター奏法オントロジーを構築した.これは,クラシックギターの演奏技法を主概念として分類し,具体的な行為や手順を記述したものである.本研究では,ギター奏法オントロジーの概念を対象として,ギターコンクールで選曲率の高い楽曲における演奏技法の傾向や変遷を調査した.その結果,上級者から記譜情報の約 2 倍の演奏技法を抽出し,それらの使用方法や難しさについて知見を得ることができた.
著者
飯野 なみ 西村 拓一 福田 賢一郎 武田 英明
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.1K3J401, 2019 (Released:2019-06-01)

本稿では,ギター奏法知識におけるオントロジーと手続き的知識の併用による知識の構造化について考察する.我々はこれまで,社会活動一つである楽器演奏に着目し現場の知識を収集・体系化してきた.中でも奏法の種類が多いクラシックギターを取り上げて,ギター奏法オントロジーを構築した.しかし,複雑な記述形式を持っているために分野の専門家にとって理解し難いという課題がある,本研究では,ギター奏法オントロジーと手続き的知識の併用による知識の構造化プロセスを設計し,オントロジー専門家と分野の専門家が取り組むための要件や技術などを明確にした.さらに分野の専門家に対するアンケート調査から,本プロセスの有用性を確認することができた.
著者
飯野 なみ 西村 悟史 西村 拓一 鈴木 美緒 福田 賢一郎 武田 英明 Nami Iino Satoshi Nishimura Takuichi Nishimura Mio Suzuki Ken Fukuda Hideaki Takeda
雑誌
人工知能学会研究会資料
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.1-4, 2018-08-03

This paper describes graphic representation of the process of action based on guitar rendition ontology. We have systematized the knowledge of classical guitar for learning and teaching support, and developed guitar rendition ontology. The ontology defines action process of each rendition by using several properties. However, it is difficult to understand intuitively for players because the ontology presents specific description form. Therefore, in this study, we extracted the knowledge relevant to action from guitar rendition ontology and described action processes by graphical representation.
著者
飯野 なみ 西村 悟史 西村 拓一 福田 賢一郎 武田 英明
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.2K3NFC3a02, 2018 (Released:2018-07-30)

音楽分野において,演奏家や指導者が持つ知識は重要な資産であり,それらを正しく記述し提供することで学習や指導を支援できる.中でも,クラシックギターは演奏に関する知識や学習プロセスの標準化がなされておらず,演奏者ごとの技能の差が大きい.指導現場においては,指導者間の知識共有がなされず,基礎的な技術でさえ共通の教授法が確立されていない.そこで本研究では,指導者間の知識共有・獲得を目的としてクラシックギターの奏法オントロジーを構築する.先行研究で取り組んだ目的指向知識を一次情報として,オントロジーに基づいた構造化を行う.そして構築したオントロジーに対するヒアリング調査から,知識共有・獲得の有用性と,指導現場への応用に向けた今後の展望について述べる.