著者
飯野 勝則
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.99-108, 2014-05-01 (Released:2014-05-01)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

佛教大学図書館では,2011年4月よりウェブスケールディスカバリーのSummonを導入している。ウェブスケールディスカバリーは,ディスカバリーサービスの次世代型といえる存在である。導入当初,検索対象のコンテンツは,雑誌記事索引に由来するデータが中心であった。このため,利用者は冊子体の所蔵へのアクセスを目的として,論文検索を行っていたが,CiNii Articlesの登載後には,電子コンテンツへのアクセスが優勢になった。現状,電子ブックについては,国立国会図書館デジタルコレクションのコンテンツが圧倒的多数を占めている。そのほか,学内イントラネット専用の新聞コンテンツとの連携も,利用者サービスの改善につながった。今後ディスカバリーサービスにおけるビッグデータの活用が進むだろう。ディスカバリーサービスを情報発信ツールとしてどうデザインし,利用するか,図書館やデータベースベンダーの手腕が問われるに違いない。
著者
飯野 勝則
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.9, pp.355-360, 2011-09-01

佛教大学図書館は,2011年4月に「ディスカバリーサービス」であるSummonを日本で初めて導入した。だが,その能力を十分に発揮するためには,図書館で従来から利用されてきたOPACやリンクリゾルバとの連携が欠かせない。とはいえ,OPAC連携においては,削除レコードや通信プロトコルの問題など,日本の図書館システム特有の課題も存在する。一方,リンクリゾルバは,Summon上の論文メタデータから図書館の紙媒体の雑誌への誘導をシームレスに行うことを可能にし,またハーベストを行えない非連携サイトへの誘導すら可能にすることから,再度着目すべきツールとなった。今後はSummonの日本語コンテンツの強化とともに,リンクリゾルバの機能強化が課題になるだろう。
著者
飯野 勝則 井ノ上 靖
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 = The journal of Information Science and Technology Association (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.181-187, 2014

図書館ポータルサイトにおいては,(1)ウェブスケールな学術情報と,(2)インスティチューションスケールな広報的情報の提供が求められる。佛教大学図書館の場合,(1)はウェブスケールディスカバリであるSummonが中核としての役割を担っているほか,ジャパンナレッジやCiNiiが提供するWeb APIを用いたウェブサービスを別途提供することで,利便性の一層の向上を図っている。一方,(2)については,Summon単独では十分に対応できない。このため,Web APIを通して,自館の他のサービスと連携し,その情報をSummonのユーザインターフェース上に合理的に表示させることで,問題の解決を図っている。今後Web APIは図書館にとって,情報提供という面での自由を担保する存在となるだろう。
著者
飯野 勝則
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.111, pp.2031, 2019-03-31 (Released:2019-03-30)

電子リソースデータ共有作業部会において扱う「共有」には (A) 各機関から外部に対して行う共有,および (B) 外部から各機関に対して行う共有,の二つの意味がある。 (A) の事例としては本作業部会で運営するERDB-JPがある。 (B) についてはコンソーシアムが扱うタイトルリストやライセンス情報などの共有が仮定されるが,未だ十分なシステム環境は用意されていない。しかし今後,日本国内において,図書館サービスプラットフォーム (LSP) などのシステムを,複数の機関で選択的に共同調達・運用できる環境を構築することができれば,その状況は大きく改善するだろう。
著者
飯野 勝則
巻号頁・発行日
2020-12-07

学術コミュニケーション技術セミナー(JPCOAR Monday), 2020年12月7日(月), オンライン
著者
飯野 勝則
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.102, pp.11-21, 2015

<p>ウェブスケールディスカバリー(WSD)は多層的なスケール概念を包摂したシステムである。そのスケールには,「実体」と「見かけ」の2種類が存在している。WSDの誕生には,それ以前のブロードキャストサーチや横断検索,ディスカバリーサービスの存在が影響を与えている。WSDにはファセットナビゲーションの主題項目など,利便性を高めることのできる機能が存在するが,一方で「見かけ」のスケールに起因するような課題も存在する。図書館はWSDのスケーラビリティを正しく理解し,利用者にとって適切な提供環境を構築していく必要があるだろう。</p>
著者
飯野 勝則
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.99-108, 2014
被引用文献数
1

佛教大学図書館では,2011年4月よりウェブスケールディスカバリーのSummonを導入している。ウェブスケールディスカバリーは,ディスカバリーサービスの次世代型といえる存在である。導入当初,検索対象のコンテンツは,雑誌記事索引に由来するデータが中心であった。このため,利用者は冊子体の所蔵へのアクセスを目的として,論文検索を行っていたが,CiNii Articlesの登載後には,電子コンテンツへのアクセスが優勢になった。現状,電子ブックについては,国立国会図書館デジタルコレクションのコンテンツが圧倒的多数を占めている。そのほか,学内イントラネット専用の新聞コンテンツとの連携も,利用者サービスの改善につながった。今後ディスカバリーサービスにおけるビッグデータの活用が進むだろう。ディスカバリーサービスを情報発信ツールとしてどうデザインし,利用するか,図書館やデータベースベンダーの手腕が問われるに違いない。
著者
飯野 勝則
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.99-108, 2014
被引用文献数
1

佛教大学図書館では,2011年4月よりウェブスケールディスカバリーのSummonを導入している。ウェブスケールディスカバリーは,ディスカバリーサービスの次世代型といえる存在である。導入当初,検索対象のコンテンツは,雑誌記事索引に由来するデータが中心であった。このため,利用者は冊子体の所蔵へのアクセスを目的として,論文検索を行っていたが,CiNii Articlesの登載後には,電子コンテンツへのアクセスが優勢になった。現状,電子ブックについては,国立国会図書館デジタルコレクションのコンテンツが圧倒的多数を占めている。そのほか,学内イントラネット専用の新聞コンテンツとの連携も,利用者サービスの改善につながった。今後ディスカバリーサービスにおけるビッグデータの活用が進むだろう。ディスカバリーサービスを情報発信ツールとしてどうデザインし,利用するか,図書館やデータベースベンダーの手腕が問われるに違いない。
著者
大向 一輝 飯野 勝則 片岡 真 塩崎 亮 村上 遥
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.152-158, 2021-04-01 (Released:2021-04-01)

学術情報流通はその性質上,複数の機関による連携を必要とするため,これを支える情報システムは,相互運用性を高めるべく策定された技術標準を参照して開発されている。また学術情報流通に関する業務は多岐に渡ることから,包括的な単一の標準ではなく,役割や機能に応じて関連するコミュニティが主導する形でさまざまな標準が作られてきた。本稿では,図書館の業務・サービスに関連する技術標準を,書誌情報,相互貸借と貸出管理,検索とデータ連携,利用統計とユーザ認証に分類して概説する。
著者
飯野 勝則
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.11, pp.542-547, 2018-11-01 (Released:2018-11-01)

図書館ウェブサービスでは,ウェブスケールディスカバリーに代表される「検索システム」における「ディスカバラビリティ」と,「検索システム」の一部としてふるまう図書館ウェブサイトにおける「ファインダビリティ」の両者を向上させる必要がある。このためのデザインでは,データとUIのふたつの要素からのアプローチが必要である。佛教大学図書館における事例を基に考えると,図書館における理想的な「検索システム」とは,ウェブスケールディスカバリーと図書館ウェブサイトを組み合わせた,「見かけ」のインスティチューションスケールに最適化されたウェブサービスであると考えられる。