著者
山地 直樹 馬 建鋒
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.7, pp.453-458, 2006-07-01 (Released:2009-05-25)
参考文献数
20
被引用文献数
1
著者
馬 建
出版者
日本環境学会
雑誌
人間と環境 (ISSN:0286438X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.4-19, 2023-02-10 (Released:2023-08-10)
参考文献数
42
著者
三谷 奈見季 山地 直樹 馬 建鋒
出版者
日本植物生理学会
雑誌
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集 第51回日本植物生理学会年会要旨集
巻号頁・発行日
pp.0886, 2010 (Released:2010-11-22)

これまでに我々は典型的なケイ酸集積植物であるイネから内向きケイ酸輸送体Lsi1と外向きケイ酸輸送体Lsi2を同定し、これらの輸送体が根からのケイ酸の積極的吸収に重要であることを明らかにしてきた。またオオムギやトウモロコシからもそれらの相同遺伝子を単離し、イネのケイ酸輸送体と同じケイ酸輸送機能を有することがわかった。しかしその一方でオオムギやトウモロコシはイネに比べてケイ酸の吸収量が低く、植物の種類によってケイ酸吸収能力が異なる機構についてはまだ明らかにされていない。そこで本研究ではオオムギおよびイネ由来のケイ酸輸送体の発現量や局在性などを検討した。根での発現量をReal time PCR絶対定量法で比較した結果、Lsi1、Lsi2ともにオオムギよりイネで数倍高く発現していることが明らかになった。次に組織局在性の影響を検討するため、HvLsi1 promoter制御下でOsLsi1 およびHvLsi1をイネのlsi1変異体に導入した形質転換体を作成した。その結果OsLsi1、HvLsi1共に内皮細胞と外皮細胞に極性をもって局在し、イネ本来の輸送体と同じ局在性を示した。これらの形質転換体を用いてケイ酸吸収量を比較した結果、ケイ酸吸収量はOsLsi1を導入した株がHvLsi1を導入した株に比べ高い傾向が見られた。これらの結果はイネ由来の輸送体は強い輸送活性を有していることを示唆している。
著者
馬 建鋒
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

1.ケイ酸の導管へのローディングは非常に速い過程で行われ、また一種のトランスポーターを介していることを明らかにした。^<29>Si-NMRを用いて導管液中のケイ酸の形態を同定したところ、単分子のケイ酸と同じケミカルシフトを与え,ケイ素が単分子のケイ酸の形態で輸送されていることを明らかにした。2.単離したケイ酸吸収欠損突然変異体(lsi1)を用いて、イネのケイ酸吸収に関与する遺伝子のポジショナルクローニングを行った。変異体とインド型イネ品種カサラスとの交配で得たF_2集団を用いて、SSRマーカーやCAPSマーカーで遺伝子型を調べた結果、原因遺伝子は2番染色体に座乗していることが明らかとなった。野生型と変異体の塩基配列を比較した結果、変異は一塩基置換に起因することがわかった。この遺伝子は3609bp塩基で、298個のアミノ酸からなっている。この遺伝子は主に根に構成的に発現していることがわかった。またケイ酸が十分ある条件と比べ、ケイ酸がない場合はLsi1の発現量が4倍増加した。Lsi1によってコードされたタンパク質の局在性を調べるために、Lsi1のプロモーター及びLsi1遺伝子とGFPを連結させたコンストラクトを作成し、組み換えイネを作出した。その結果、Lsi1タンパク質は主に主根と側根に存在し、根毛にないことを明らかにした。3.新たなケイ酸吸収欠損突然変異体の選抜を試みた。メチルニトロソウレアで変異処理した台中65のM_3種子を用いて、ケイ素の同属元素であるゲルマニウムに対する耐性を指標し、変異体の選抜を行った結果、ゲルマニウムに対して、強い耐性を示す変異体(lsi2)を得た。この変異体によるケイ酸吸収特性を野生型(WT,台中65)と比較して調べた。短期(12時間まで)及び長期(50日間)のケイ酸吸収実験では、変異体によるケイ酸の吸収は、WTよりはるかに低かったが、他の養分(KとP)の吸収においては差が認められなかった。この原因遺伝子をマッピングした結果、染色体3番に座乗していることを明らかにした。
著者
横正 健剛 山地 直樹 馬 建鋒
出版者
日本植物生理学会
雑誌
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集 第52回日本植物生理学会年会要旨集
巻号頁・発行日
pp.0960, 2011 (Released:2011-12-02)

ソバはアルミニウム(Al)耐性が強いだけではなく、地上部に高濃度のAlを集積する。生理学的な解析から、ソバはAlに応答し根からシュウ酸を分泌し、地上部ではAlをシュウ酸との錯体で液胞に隔離することが明らかとなっている。これらの過程には多くのトランスポーターの関与が考えられるが未だ同定されていない。私たちはソバのAl耐性及び集積の分子機構を網羅的に解析するために、Alで処理したソバの根からRNAを抽出し次世代シークエンサーを用いてEST解析を行った。均一化したcDNAライブラリーから遺伝子配列の決定を行い約10万のコンティグを作成した。また、均一化していないcDNAライブラリーを用いたショートリード解析から発現量の測定を行った。本研究では、トランスポーター候補遺伝子の中で発現上位にあるFeIREG2についてその全長の単離と機能解析を行った。RACE法を用いて完全長cDNAを単離したところ、FeIREG2はシロイヌナズナのFeとCo、Niの排出トランスポーターAtIREG2とアミノ酸レベルで約60%の相同性を示した。FeIREG2は根で発現し、Al処理6時間後には約20倍に増加していた。この遺伝子とGFPの融合遺伝子をタマネギ表皮細胞に発現させたところ、液胞膜に局在していた。これらのことからFeIREG2はAlの液胞への隔離に関与している可能性が考えられ、更なる解析を進めている。