著者
植田 智之 中西 惇也 伴 碧 倉本 到 馬場 惇 吉川 雄一郎 石黒 浩
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.227-238, 2021-05-25 (Released:2021-05-25)
参考文献数
14

Experimental tasks depicting a bullying scene are being studied to elucidate the causes of bullying and to verify methods for resolving bullying. Bullying involves not only victims, bullies, reinforcers, who are complicit in the bullying, and defenders, who mediate the bullying, but also bystanders, who ignore the bullying. Bystanders comprise the largest group involved in bullying and can play an important role in resolving bullying. However, in previous experimental tasks depicting a bullying scene, participants could not perceive bystanders’ behavior as different from the behaviors of the victim or bully. The present study aimed to contribute to the development of solutions to bullying by creating experimental tasks, including a measurable behavior representing bystanders. In this research, we introduced a new option of behavior representing bystanders in a “catch-ball task” that can express the reinforcing and defending behavior in a bullying scene. Results of our questionnaire survey showed that the newly implemented behavior representing bystanders was perceived as bystander’s behavior by participants. Moreover, according to the results of another questionnaire survey, the improved experimental tasks with one bystander were perceived to be closer to a bullying scene compared with previous catch-ball tasks.
著者
植田 智之 中西 惇也 倉本 到 馬場 惇 吉川 雄一郎 小川 浩平 石黒 浩
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2019-HCI-184, no.16, pp.1-8, 2019-07-15

いじめにおいて,傍観者はいじめを止めたいという道徳観を持ちながらも,いじめに巻きこまれる懸念や気恥ずかしさといった理由から,積極的に仲裁を行わないという問題がある.そこで,チャットグループ内の一人の傍観者を装ってチャットボットが仲裁する発言を代替し,装われた傍観者に半強制的に仲裁を行わせる手法を提案する.これにより,仲裁を装われた傍観者に仲裁者としての自らの役割を半強制的に自覚させる効果が期待される.この効果を検証するため,被害者に協力する仲裁行動,被害者を攻撃する加担行動の両方を被験者が自由に取ることができるシステムを作成し実験を行った.提案手法により被験者の仲裁行動が増加し,加担行動が抑制する様子が観察された.このことから,チャットボットが仲裁を装うことで被験者に仲裁をする役目を自覚させ,いじめを縮退させる行動へ誘導できると考えられる.
著者
岡藤 勇希 牧田 昌大 松村 耕平 馬場 惇 中西 惇也
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.366-376, 2023-02-15

近年では,人間の労働力のサポート手段の1つとして,コミュニケーションロボットが積極的に活用され始めている.一方で,公共空間でロボットと対話をする際には恥ずかしさが発生することが知られており,これによりロボットの利用が妨げられる可能性がある.そこで本研究では,公共空間においてロボットの利用を促進させるために,ロボット利用時の恥ずかしさの発生要因と,恥ずかしさがロボット利用に対して与える影響を明らかにすることを目的として,ロボットを利用するサクラを用いた実験を実施した.実験結果より,ロボット利用中に感じる恥ずかしさは,周辺からの注目と周辺からの理解による要因に影響を受けることが示された.また,利用中の恥ずかしさを減少させることにより,ロボットとのインタラクション時間が延びることが示された.